味の素グループは、100年以上前に「おいしく食べて健康づくり」という志を持って創業しました。
アミノ酸の研究を起点として、アミノサイエンスを軸に成長し、全世界で3万人を超えるグループの従業員とともに、7億人を超える生活者の方々に商品の提供を行っています。
味の素グループが創業以来大切にしてきたのは、「誰もが料理を作ることを楽しみ、おいしい料理を共に喜び合う」という気持ちです。
家族で囲む料理は幸せを育み、家族のきずなを深めるものです。
この食がもたらす「幸せの素」を、味の素グループは世界中の人々に届けるのが、味の素グループです。
このような理念を持つ味の素グループも、SDGsへの取り組みを行っています。
ここでは、味の素グループが行っているSDGsの目標達成のための取り組みを紹介していきます。
味の素グループのSDGsへの取り組み
ここでは、味の素グループのSDGsへの取り組みの具体例を紹介していきます。
フードロスの低減
味の素(株)は、1993年にたんぱく質同士を結合させる酵素、トランスグルタミナーゼを主な材料とした世界初の食品用途製剤として「Activa」の商品化を実現しました。これまでに食品ごとの課題に応じてトランスグルタミナーゼの機能を高度化させるさまざまな応用研究や製品の開発を進め、現在では食品の生産性の向上、食資源の有効活用を行いました。
また、冷凍食品業界では商品の特性に関わらず賞味期限は1年間という固定概念があったため、本当の賞味期限の検証を行っていませんでした。
味の素冷凍食品(株)では、全製品ついて一般社団法人日本冷凍食品協会で定められた保存試験データおよび自社における長期保存試験を実施し、その結果を踏まえ賞味期間の延長が可能な商品については、賞味期間を1年から1.5年に延長しました。
さらに日本のフードロスのうち家庭から出るものは年間約276万トンと発生量全体の約半分を占めています。
味の素グループは、家庭のフードロスを削減するべく毎日の食事を通じて実践できる「食エコ」を広げる活動を行っています。
この3つの取り組みにより、フードロスの削減を行っています。
プラスチック廃棄物の削減
味の素グループは、事業活動において限りある資源を無駄なく使い、廃棄物の発生量の抑制に取り組むとともに、発生したものについては徹底的に有効活用することで、99%以上を資源化することを目標としています。
また、食品の生産においては無駄になる包装資源を極少化するため、販売予測の精度向上やきめ細かな調達等を進めています。
このような方法で、2030年までにプラスチックの廃棄量をゼロにするという目標を掲げ、全社プロジェクトとしてプラスチックの使用量を削減するとともに、使用するプラスチックについてはリサイクル可能な素材への転換を進めています。
さらに味の素グループが事業活動を行う国や地域では、循環型社会の実現に貢献するためプラスチックのリサイクルに向けた取り組みに参画しています。
日本においては、業種を超えた幅広い関係者の連携を強めてイノベーションを加速するためのプラットフォームである「CLOMA(Japan Clean Ocean Material Alliance)」への参画など、社内外の連携を通じた取り組みを進めています。
地球にやさしいバイオリサイクル
アミノ酸のほとんどは、発酵方法で作られており、味の素で生産されるアミノ酸も例外ではありません。
発酵法で作るアミノ酸の原料は、その土地で栽培されるサトウキビなどの農作物です。
アミノ酸の製造を続けるためには、原料となる農作物が持続的に生産されることが必要不可欠です。
味の素グループは、その土地の自然の恵みがいつまでも続くような製品づくりを目指しています。
アミノ酸は、原料となる農作物の糖分を発酵させて作られますが、発酵が終わってアミノ酸を取り出した後の液体にも多くの栄養分が残っています。
味の素グループでは、この液体を有機質肥料として地域の農家に販売しています。
地域の農家はこの肥料を用いてサトウキビなどの作物を育て、その作物がやがてアミノ酸の原料となるというサイクルが回っています。
このサイクルのことを、味の素グループでは「バイオサイクル」と呼んでいます。
近年では、欧米の先進国が「再生可能な農業」への取り組みを始めていますが、味の素グループではこのバイオサイクルの取り組みを、およそ40年前に開始しました。
このバイオサイクルは環境に負担をかけないだけではなく、地域の農家に対して経済的に貢献することにもつながっています。
味の素グループのバイオサイクルは、資源の有効活用に貢献するだけではなく、発酵液の活用を通じて社会全体に大きなメリットを産んでいます。
味の素グループの取り組みはSDGsはどの目標に該当するか?
ここまで紹介した味の素グループのSDGsへの取り組みは、SDGsのどの目標に該当するのでしょうか。
ここでは、味の素グループの取り組みがどの目標に該当するかを解説していきます。
フードロスの低減が該当する目標
味の素グループが行っているフードロス低減のための取り組みは、SDGsの目標12つくる責任つかう責任に該当しています。
このつくる責任つかう責任という目標は、衣料や食料、エネルギーなどのいろいろな分野の消費と生産のパターンを確保して、資源をよりよく使うことができる経済の実現を目指すものです。
日本の食品ロスは改善傾向にありますが、さらに早急に改善すべきもののひとつです。
味の素グループが行っている取り組みより、フードロスが低減され食材を効率よく使うことができるようになります。
プラスチック廃棄物の削減が該当する目標
プラスチック廃棄物の削減は、SDGsの目標14海の豊かさを守ろうに該当します。
プラスチック廃棄物は、海洋汚染の大きな問題となっています。
味の素の製品には、プラスチック包装が使用されておりそれらが正しく廃棄されないと海洋ごみとなって海洋汚染の原因となります。
2016年の時点でのプラスチックごみの量は、世界全体で年間およそ800万トンに上っており、このまま対策をしなければ2050年には海に生息するすべての魚の重量を上回ってしまうと予想されています。
このような事態を避けるためには、味の素グループが行っているプラスチック廃棄物の削減という取り組みは非常に重要なものであると言えるでしょう。
地球にやさしいバイオリサイクルが該当する目標
味の素グループが促進するバイオリサイクルは、SDGsの目標12つくる責任つかう責任に該当します。
バイオリサイクルは、味の素グループの製品を製造する際に出る廃棄物を肥料として再利用し、製品に使用する原料を育てるというものです。
このバイオリサイクルを行うことで廃棄物の量を減らし、再利用して新しい原料を作ることができます。
まとめ
ここまで、味の素グループが行っているSDGsの取り組みについて解説してきました。ここで紹介した3つの取り組みは、製造時に出る廃棄物を減らす、または有効活用するという目的で行われていることがお分かりいただけたと思います。
廃棄物を減らし有効活用を行うことは、味の素グループに限らずものを作る企業にとって大きな課題となるものです。
このような取り組みは、今後規模の大小を問わず多くの製品を製造する企業に求められる課題となるでしょう。