太陽光発電はカーボンニュートラル達成のために有効なのか

SDGsの7つ目の目標である「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」を実現するために、太陽光は非常に重要な働きを行います。
太陽光エネルギーは地球上のどこでも利用することができ、少なくとも現在のところは枯渇する心配はありません。
ここでは、太陽光発電システムの発電の仕組みや、メリットとデメリットや太陽光発電の今後の展望などについて解説していきます。

太陽光発電とは

太陽光で電力を生み出す方法は、光がシリコン半導体にあたると電力が生まれる現象を利用しているため、シリコン半導体でできた太陽光パネルに太陽光を当てて、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換するというものです。

この方式で生み出される電力は直流電力なので、パワーコンディショナを利用して一般の家庭やオフィス、工場などで利用できる交流電力に変換する必要があります。
太陽光発電システムには、一般の住宅の屋根に設置して自家消費用の電力を発電する小規模なものから、広大な土地に多数の太陽光パネルを設置して売電用の電力を発電する大規模なものまで、さまざまな規模のものがあります。

家庭用の太陽光発電システムを設置し、自家消費用に利用することにより家庭で使う電力を二酸化炭素の排出を行わないクリーンなものにすることが可能になります。

太陽光発電のメリットとデメリット

太陽光発電には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。
ここでは、太陽光発電のメリットとデメリットについて解説していきます。

メリット

太陽光発電のメリットには、以下のようなものがあります。

二酸化炭素を排出しない

太陽光発電により電力を生み出すプロセスでは、一切の二酸化炭素を排出しません。
そのため、地球温暖化防止に役立ちます。

太陽光発電システムを利用して発電した電力を利用することで、化石燃料を使用した火力発電により発電した電力の消費量を抑えることができるため、火力発電を行う際に排出される二酸化炭素量を削減することができます。

一般家庭でも発電を行うことができる

前述したように太陽光発電システムにはさまざまな規模のものがあり、小規模なものであれば一般家庭の屋根に設置して発電を行うことができあるため、自宅でクリーンな電力を発電し、使用することができます。

また、家庭用太陽光発電システムの設置費用は一般の家庭でも購入しやすい価格設定となっており、太陽光発電によって発電した電力を使用して電力会社から購入する電力量を抑え電気料金を節約することで、収支をプラスにすることも不可能ではありません。

売電により利益を上げることも可能

太陽光発電システムの普及は日本が国策として推し進めており、そのため太陽光発電によって発電した電力を電力会社が買い取ってくれるというシステムが導入されています。
このシステムのことを「売電」といいます。

この売電は太陽光発電システムの規模に関わらず行うことができるため、売電目的の大規模な太陽光発電システムではない家庭用の小規模な太陽光発電システムにより発電された自家消費用の電力のうち、自宅で消費できなかった「余剰電力」も買い取ってもらうことができます。

この売電のシステムと、太陽光によって発電した電力を自家消費して電気料金を低く抑えることの双方を組み合わせることで、太陽光発電システムの導入にかかった費用と、売電収入と節約できた電気料金の収支を、プラスにすることも可能です。

また大規模な太陽光発電の場合、売電のみを目的として発電しているケースも多くあります。
売電収入を得ることで利益を上げることができる可能性があるため、投資の対象にもなっています。

デメリット

太陽光発電のデメリットには、以下のようなものがあります。

発電量が天候に左右される

太陽光発電システムで発電できる電力量は、晴れていれば多く、曇りや雨の日は少なくなります。
そのため、日照時間が少ない地域や、日照時間が多い地域であってもその年の天候によっては、計画通りの発電量を確保できないこともあります。

夜間は発電できない

太陽光発電システムは太陽の光を利用して発電を行うため、当然のことながら夜間は発電を行うことができません。
そのため、夜間に使用する電力は電力会社から購入する必要があります。

しかし太陽光発電システムと蓄電池を併用し、昼間に発電した電力を蓄電池に溜めておいて、その電力を夜間に使うという方法でこのデメリットを解消することができ、昼夜を問わずクリーンな電力を使用することが可能になります。

大規模な太陽光発電システムは自然破壊につながることもある

大規模な太陽光発電システムを設置する場合には、当然のことながら広大な面積の土地が必要となります。
この土地を確保する際に、森林伐採などが行われることもあり、自然破壊につながる恐れがあります。
また、無計画な森林伐採が行われることで、土砂崩れのリスクが高まることもあります。

正しく廃棄しないと環境破壊につながる

太陽光発電に用いられる太陽光パネルには、パネルの種類にもよりますがセレン・銅・カドミウムなどの有害物質が含まれているものもあるため、適切な方法で処分を行わないとこれらの有害物質が拡散・流出してしまうことが考えられます。

そのため、太陽光発電パネルを廃棄する場合には、責任をもって正しく廃棄してくれる解体事業者を選ぶ必要があります。

太陽光発電は今後さらに普及していくのか?

日本における太陽光発電システムの今後は、売電価格の低下からさらなる普及は難しいのではとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、太陽光発電システムの性能の進化と導入コストが下がってきていることから、今後も普及し続ける可能性が高いと言えるでしょう。

ちなみに発電コストは、2012年から2020年までの8年間で、約4分の1となっており今後もそのペースは緩やかにはなりますが下がり続けていくものと考えられています。
今後、二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーである太陽光を利用して発電した電力の需要は、増えていくでしょう。

太陽光により発電を行う際のコストが下がり続けていることから、日本以外の世界の国々でも太陽光発電システムの導入時に補助金を出すなど、太陽光発電の普及を国策として進めている国も少なくないため、SDGsの7つ目の目標の達成を目指す意味でも、今後世界中でメガソーラープロジェクトが拡大していくものと予想されます。

まとめ

ここまで、太陽光発電について解説してきました。

再生可能エネルギーである太陽光を使用した発電には二酸化炭素を排出しないという大きなメリットがあり、SDGsの7つ目の目標達成のために大きな役割を担うものと考えられます。

発電コストが年々低下していることから、再生可能エネルギーを利用した電力の安価かつ安定的な供給を行うことができるようになる未来も、すぐそこに見えてきていると言ってもよいでしょう。

しかし、無計画な森林伐採などを行ってメガソーラーシステムを導入したり、役目を終えたソーラーパネルなどを適切な方法で処分しなかったりした場合には、自然破壊につながります。

周辺の生態系に影響を及ぼしたり、地滑りの危険性が高まって周辺住民の安全が守られなかったりすることも考えられるため、太陽光発電の導入や運用、解体は計画的に行う必要があります。

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