株式会社BANDAISPIRITSは、ガンダムのプラモデルである通称「ガンプラ」、その他のプラモデル、フィギュア、一番くじ、プライズを作成する知らない人はいないのではないかと思われる企業です。

2018年に設立されたBANDAISPIRITSは、世界のハイターゲット市場で事業成長することを目的としています。

バンダイの製造する製品は多様で、それぞれのアイテムをグローバルで展開しています。

BANDAISPIRITSは、「SPIRITS」つまり「魂」を込めたモノづくりでIP(キャラクターなどの知的財産)が持つ価値を最大化し、バンダイナムコグループ各社の強みを掛け合わせることで世界中のファンとつながり、想像を超える新しい感動体験を届けています。

このような経営を行うBANDAISPIRITSは、どのような形でSDGsに貢献しているのでしょうか。

ここでは、BANDAISPIRITSのSDGsに対する取り組みについて解説していきます。

BANDAISPIRITSのSDGsへの取り組み

BANDAISPIRITSのSDGsへの取り組みには、以下のようなものがあります。

ガンプラリサイクルプロジェクト

バンダイナムコホールディングス、BANDAISPIRITS、バンダイナムコアミューズメント、バンダイロジパルのバンダイナムコグループ4社は、共同企画としてガンダムシリーズのプラモデル略して「ガンプラ」のランナー(プラモデルの枠の部分)を回収し、ファンの方と共に循環型社会の形成に取り組むことを目指す「ガンプラリサイクルプロジェクト」を2021年4月に開始し、現在も継続して取り組んでいます。

使用済のランナーは、全国の「namco」をはじめとしたバンダイナムコアミューズメントの200箇所の対象店舗に設置された専用のボックスで、ファンの方からの回収を行っています。

アミューズメント用の景品を店舗へ運んだバンダイロジパルのトラックが、その帰りの便でランナーを持ち帰ることにより、運搬の際に環境に掛ける負荷を軽減することが可能になります。

回収したランナーは、プラモデルの生産過程で排出されるプラスチックと合わせて、ケミカルリサイクルの実現に向けた実証実験用の材料として、残りをマテリアルリサイクルとサーマルリサイクルによって再活用しています。

プラスチック代替素材の活用

BANDAISPIRITSは、プラスチック代替素材を一部のプラモデルに使用しています。

この取り組みによりプラスチックの使用量を削減し二酸化炭素排出削減のための取り組みとして、積極的に活用しています。

プラスチックの代替となる素材には、卵殻を使用したものと石灰石を使用したもの、そしてプラスチックの新素材として開発されたKPSがあります。

卵殻プラスチックは、産業廃棄物として今まで廃棄されてきた卵殻をプラモデルの一部に使用した新素材です。

ポリエチレン樹脂と生物由来(バイオマス)の素材を複合することで、石油由来のプラスチックの比率を抑えることができます。

また、石灰石を主原料とする新素材のLIMEX(ライメックス)を使用することで、製品中の石油由来のプラスチックの比率を重量ベースで50%以下に抑えることができます。

さらにBANDAISPIRITSは、プラスチックの新素材KPSの開発にも力を入れています。

BANDAISPIRITSは、強度や耐久性に優れたプラスチックの新素材であるKPS(強化[kyouka]ポリスチレン[PS])を開発し、プラモデルに使用しています。

このKPSは柔軟性と強度を両立し、塗装にも適している以外にも、リサイクルすることも可能であるというメリットがあります。

BANDAISPIRITSでは、今後も継続して次世代プラスチックの開発に取り組んでいきます。

ものづくりの技術を伝承するマイスター制度

バンダイホビーセンターでは、ファンの方々の期待に応えプラモデルの価値を向上させ続けるために、プラモデルの生産技術の向上と伝承に努めています。

商品のクオリティーの追及で培った知識や卓越した技術を有する従業員を評価し、後継者の育成やさらなる技術向上を目的として、2012年から「マイスター制度」を導入しています。

また、2022年からは「日本ものづくり人材」を増やす目的で、専門学校や大学向けにマイスターによる課外授業が行われています。

この課外授業では、これまでの技術革新における考え方やものづくりの仕事に携わるやりがいなどを伝え、ひとりでも多くの未来のものづくり人材を増やすための活動を行っています。

BANDAISPIRITSのSDGsはどの目標に該当するか?

BANDAISPIRITSが行っているSDGsのための取り組みは、どの目標に該当するのでしょうか。

ここでは、どの目標に該当するかを解説していきます。

ガンプラリサイクルプロジェクトが該当する目標

使用後のランナーは、新たなガンプラとしてケミカルリサイクルする、エコプラスチックへとマテリアルリサイクルする、電力を作るためにサーマルリサイクルする、という三つの方法でリサイクルされます。

これらのリサイクルは、目標12つくる責任つかう責任、目標7エネルギーをみんなにそしてクリーンにの二つの目標に該当します。

またファンの方から回収したランナーは、アミューズメント用の景品を運搬したトラックなどの帰りの便に乗せて回収するので、環境に掛ける負荷を削減することができるため目標13気候変動に具体的な対策をに該当します。

プラスチック代替素材の活用が該当する目標

従来のプラスチックに代わるプラスチック代替素材の活用を行うことで、従来の石油を使用したプラスチックを使用した場合よりも、石油の使用量を抑えることができます。

また、これらの代替プラスチックはリサイクルにできるものもあるため、目標12つくる責任つかう責任、目標13気候変動に具体的な対策をに該当します。

ものづくりの技術を伝承するマイスター制度に該当する目標

マイスター制度があることで、BANDAISPIRITSでものづくりに携わる従業員は、自分の技術や発想力を高めようとさらに努力を行うでしょう。

この取り組みは、目標8の働きがいも経済成長もに該当します。

また、マイスターが行う課外授業は一人でも多くのものづくり人材を増やし、そのような人と連携してより良い技術の発展を目指すことを目的としているため、目標17パートナーシップで目標を達成しように該当します。

まとめ

BANDAISPIRITSといえば代名詞として思い浮かぶのはガンプラで、ほとんどの人はその名前を耳にしたり実際に商品を手に取ったりしたことがあるでしょう。

たった一つのプラモデルを作るためには、技術や発想だけではなく、その過程においてどのような形でSDGsの目標達成に対して貢献できるかということも、考えられ実行されています。

プラモデルといえば「おもちゃ」という見方が多く、多くの人が生活の中で必ずしも必要とするものではありません。

そのような娯楽品としてのプラモデルの製造過程においても地球環境への負荷を減らす工夫や、後進の育成などを行うことで、サスティナブルな企業へと成長していくBANDAISPIRITSの今後に注目したいところです。

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