ライフは、近畿圏と首都圏の二大商圏において、2023年4月末現在300店舗を展開しているスーパーマーケットです。

食料品を中心に販売していますが、衣料品の販売にも力を入れていて、普段着を中心としたオリジナル服飾商品も展開しています。

また、近年ではドラッグストアとの競争も視野に入れ、衣料品や日用品の品ぞろえも充実させています。
ライフという店名は、スーパーはモノを売るだけではなく生活を提案する産業であるとの考えから「ライフ=生活」と名付けられました。

シンボルマークとなっている四葉のクローバーは、「経営戦略」「営業戦略」「店舗戦略」「商品戦略」の4つのコンセプトを表しています。

それ以外にもグリーンのカラーは、商品の「新鮮さ」・「信頼」・「幸せ」、メインカラーのオレンジは、微笑みを呼ぶ暖かなサービスと「活気」・「積極性」表現しています。

このようなライフですが、この企業でもSDGsへの取り組みが行われています。
ここでは、ライフのSDGsへの取り組みについて解説していきます。

(引用:http://www.lifecorp.jp/より)

ライフのSDGsへの取組み

ライフのSDGsの取り組みは、環境への負荷低減を目指したものです。

地球環境の保全に向けて、事業活動によって発生する環境負荷を低減し、循環型社会・脱炭素社会の実現を目指しています。

以下に、ライフが実施しているSDGsに対する具体的な取り組みを紹介していきます。

食品廃棄削減の取組み

プライベートブランド商品の設計・仕入やプロセスセンターでの製造、店舗での製造、販売、廃棄の各工程で、リデュース(排出削減)、リユース(再使用)、リサイクル(再利用)を推進し、限りある資源を最大限有効活用しています。

以下に、その具体例を紹介していきます。

  1. てまえどり
    すぐに使うものであれば陳列棚の手前から取っていただくようにお願いし、お客様と一緒に食品廃棄物削減に取り組んでいます。
  2. 値引き販売
    賞味期限や消費期限が近くなった商品は、値段を下げて販売することで、売れ残りがないよう努めています。
  3. 期限の見直し
    納品期限、販売期限、賞味期限、消費期限とさまざまな期限を見直すことで、可能な限り食品廃棄が発生しないように取り組んでいます。
  4. 発注精度向上
    AI発注を導入することで、天候や過去のデータなどから需要予測を行い、適正な量の商品が納品されれています。
  5. アップサイクル商品開発
    アップサイクルとは、本来であれば廃棄されていた食材を活用し、付加価値をつけて新たな商品とすることです。
    自社工場でカットフルーツを製造する際に廃棄していたパインの芯を活用し、ドライフルーツへと生まれ変わらせました。
    他にもサラダチキンを製造する際に余っていたレバーを活用した「BIO-RAL 塩と絞り生姜だけで作った鶏レバーの燻製」や、お茶を選別する際に出てくる茎や粉などを利用した「BIO-RAL 一番摘み有機緑茶ティーバック」などを開発しています。
  6. 子ども食堂・フードバンク団体への食品の寄付
    店舗における販売期限切れの商品を、地域の子ども食堂に寄付しています。
    子ども食堂では食事を満足に取れない子どもたちに無償または安価で食事を提供するだけではなく、子どもたちの居場所、そして地域交流の場ともなっています。
  7. 食品リサイクル
    店舗やプロセスセンターでの調理や加工の際に発生する食品残渣や魚のあら、揚げ油などを食品リサイクルによって肥料や飼料へと変えています。

プラスチック削減の取組み

廃棄プラスチックは、海洋汚染をはじめとする自然環境への影響が問題となっています。

プラスチックを多量に使用するライフとして社会的責任は大きいと考え、プラスチック包装容器包装や容器、トレーの店頭回収、マイバックの利用促進などを行っています。

以下にその一例を紹介していきます。

  1. 環境配慮カトラリー
    スプーンやストローを木製や紙製に変更することで、約1700万本のプラスチックカトラリーを削減しました。
  2. マイバスケット
    マイバスケットを利用することで、買い物の後にマイバックに入れる必要がなく、そのまま商品を持ち帰ることができるマイバスケットの販売を行っています。
  3. パッケージのコンパクト化
    プライベートブランドの商品をコンパクトにすることで、プラスチック包材を削減しています。
  4. 紙パッケージの採用
    プライベートブランド「BIO-RAL」商品の一部で紙包材を採用し、プラスチックを削減しています。
  5. ノントレー販売
    精肉を販売する際には、発泡スチロール製トレーを使用しない方法で商品を販売しています。
  6. トレーtoトレー
    食品トレーを店頭で回収し、洗浄して新たな食品トレーへリサイクルして使用しています。
  7. ボトルtoボトル
    プライベートブランドのペットボトル飲料では、使用済みペットボトルをリサイクルし、新たなペットボトルとして再利用する「ボトルtoボトル」の取組みを行っています。

二酸化炭素排出量削減の取組み

ライフの二酸化炭素排出量のうち、約93%が電力使用によるものです。

そこでライフは自助努力による省エネ・創エネを優先的かつ最大限に取り組み、そのうえで不足分においては、再生可能エネルギーを調達することで、ライフ全体で二酸化炭素削減を図っています。

その具体的な方法は、使用電力量の少ないLED照明の採用、冷ケースに扉や立ち上げパネルを設置して冷気を逃がさない、といった方法があります。

そして創エネに関する取り組みは、店舗の屋上を利用した太陽光発電、ライフのプロセスセンターから排出される食品残滓を活用し発生させたバイオガスを利用したバイオガス発電を行っています。

このバイオガス発電は、年間約4,380トンの食品廃棄物の削減にも貢献しています。

この創エネについてはすべての店舗で行われているわけではありませんが、今後増えていくものと思われます。

まとめ

ここまで、ライフのSDGsへの取組みについて解説してきました。

ライフでは、一般的なスーパーで行っているSDGsへの取組み以外に、バイオガス発電や太陽光発電など、比較的大きな費用と技術が必要な方法で食費ロスの削減や二酸化炭素排出量削減の取組みを行っています。

また、創エネで賄うことができない電力に関しては、再生可能エネルギーにより発電した電力を利用するなど、その取り組みは徹底したものであるといえるでしょう。

他社から購入する再生可能エネルギーを利用して発電された電力は、その他の方法で発電された電力より割高であることがほとんどです。

ライフの商品は他のスーパーと比較すると割高に感じる商品もあると思いますが、ライフで買い物をすること自体が、地球環境を守ることにつながっていきます。

ライフが、今後どのような形で環境負荷を抑える取り組みを行うのか、注目していきたいところです。

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