日本では現在、山の生態系の崩れが問題になっています。
山は適切に管理されて初めて有効利用できる良質な木材が多く産出でき、加えて山の生き物と人間の棲み分けが可能になります。
ミサワホームは、フィンランドは環境先進国とも呼ばれており、長年にわたって持続可能な森林管理に取り組んできた国です。
ここではフィンランドに森林資源が豊富な理由と、ミサワホームがフィンランドに工場を作った理由を紹介していきます。

ミサワホームズ・オブ・フィンランド株式会社(MHF)とは

ミサワホームズ・オブ・フィンランド株式会社(MHF)とは、ミサワホーム株式会社の子会社で、フィンランド共和国南ザヴォ県ミッケリ市に位置し、2024年8月に工場操業開始から30年を迎えました。
MHFがある地域は湖水地方と呼ばれていて、森林と湖に囲まれた自然豊かな土地です。
フィンランドは国土の70%を森林が占めていて、その豊富な資源から得られる安定した品質の木材は日本に供給され、建築材料として利用されています。
また、木が木材に加工される際に発生する副産物はバイオマス燃料として地域に供給するという取り組みも行っています。

なぜフィンランドなのか

フィンランドは一年を通して北側にもまんべんなく日光が当たるという気候風土であるため、そこに育つ木の年輪は同心円状に広がっており、根元からまっすぐ育つという特性を持っています。
さらにフィンランドの厳しい気象条件下で育った木は、生育こそ遅いもののその分木目が細かく高い密度があるため、強い強度と耐久性があります。
このような特徴をもつフィンランドの木材は、ミサワホームが作る高い耐震性や工業化住宅の安定した品質を支える重要な要素のひとつなのです。

MHF のカーボンニュートラルへの取組み

近年、世界中で気候変動が原因される自然災害が多発しており、その被害は今までにない大きさです。
日本政府は2020年10月に、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにするという「カーボンニュートラル」を宣言しました。
ミサワホームにおいても、2030年には二酸化炭素の排出量を50%、2050年にはゼロにするカーボンニュートラルの達成に向けた取り組みを行っています。
その取り組みのひとつが、MHFで行われています。

フィンランドの森林から調達された原木はMHFで製材・乾燥といった加工が行われた後に日本に輸出され、日本国内でミサワホームが建築する住宅の材料と指定使用されます。
木材を加工する過程では木材チップが発生しますが、これをパルプの原料としてパルプ工場へ供給し、樹皮やおがくずはバイオマス燃料として活用しています。
このバイオマス燃料を用いて発電した電力は、MHFがあるミッケリ市内の家庭や施設で利用されていて、その割合は約8%~10%に上ります。
それ以外にも発電の際に発生する熱を利用して作られた温水を発電所から買い戻し、木材の乾燥に使用しているため、まさに森の恵みを余すところなく利用しているといっても良いでしょう。

森林を持続可能なものにするためのMHFの取り組み

フィンランドでは、森林政策の基本に持続可能な森林管理が位置づけられています。
そのためこの法律に則って、森林の多くは人工的な方法で再生が行われています。
フィンランドの森林法では、新しい苗木の植栽のための措置を伐採後3年以内に完了しなければならないと定められており、この取り組みによって伐採や自然流出による森林減少を防いでいるのです。
また、フィンランドの森林の約90%は国の森林認証プラグラム(PEFC)規格または森林管理協議会規格に基づく認証を受けています。

森林認証プログラムとは持続可能な森林管理の促進を目指す制度で、森林の生物多様性や生産性、再生成に関わる能力を維持しつつ、森林の果たす各種の機能を維持し管理することを目的としたものです。
また、認証された木材の伐採材が一定基準以上使用されていることを証明する「Coc認証」というものもあり、MHFは2006年にこのCoc認証も取得しています。
このように、MHFが使用する木材は、その調達から加工、流通の各工程で持続可能な森林管理が行われています。
このように公的な認証を取得する以外にも森林保全活動の一環として、2009年より植樹祭を開催し、従業員やパートナー企業とともに伐採地での植樹を行ってきました。
これまで植樹した木はすべて合わせると10万本にもおよび、フィンランドの森林を維持するとともに木が成長過程で二酸化炭素を吸収する効果による地球温暖化ガス削減にも貢献しています。

ミサワホームの今後

ミサワホームは1998年に政界に先駆けて「ゼロ・エネルギー住宅」を発売し、その後の2010年には「ライフサイクルCO2マイナス住宅」を発表しました。
しかし、ミサワホームはゼロ・エネルギー住宅、いわゆるZEHの家を、あくまで中間目標ととらえています。

まずはこのゼロ・エネルギー住宅の比率を高めつつ、将来的にはライフサイクルCO2マイナス住宅を普及させていくことが、ミサワホームが持つ社会的責任であるとしています。
家を長寿化させるための断熱性や気密性、エネルギー消費、災害に強いレジリエンス住宅への取り組みなど、住宅を購入する人への優良な住宅が持つ価値についての理解を深めることも重要です。
優良な住宅であれば長期間の保証も可能になり、さらに安全・安心な住まいの提供につなげていく努力を行っています。

「家が持つ価値」への理解

家を建てるまたは買うときには、間取りや外見、予算との兼ね合いなどに目が行きがちですが、今後目を向けていかなければいけないのは、どこからどのようにしてこの地へ来た建材が使われているのか、それが家だけではなく地球に良い影響を及ぼすのかといったことではないでしょうか。

良質な木材をふんだんに使った高気密・高断熱の家であれば、その分冷暖房などのランニングコストを抑えられるでしょう。
また、耐久性にも優れていれば災害にも強く、長期間にわたってその家で快適な生活を送ることができます。
それだけではなく、木材が伐採された後に森林がどのように扱われているかを知ることで、地球規模での快適な「住みやすさ」を維持できるでしょう。

家は一生に一度の買い物と言われているので、それこそ一生住み続けられるほどクオリティーの高い家を選びたいものです。
ただしここでいうクオリティーとは「住みやすさ」だけを指すわけではなく、いかに地球環境に負荷をかけずに立てられ、住み続けられるかという点についても着目する必要があるのではないでしょうか。

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