飢餓をなくそう!世界の現状と新しいタンパク質製品

はじめに

お肉が食べられなくなるかもしれない!?

世界的に人口が増えている近年、タンパク質の需要と供給が崩れています。今回は、世界の現状と新しいタンパク質の製品を紹介していきます。さまざまなタンパク質の製品を買うことで、SDGsの「飢餓を無くそう」「すべての人に健康と福祉を」という活動に参加することにも繋がります。

タンパク質が足りなくなる

タンパク質の供給が増えた要因として、人口の増加と世界の食生活の変化が挙げられます。国連によると、現在の人口は約78億人ですが、2030年には約85億人、2050年には100億人に達するという予測があります。2025年から2030年には肉の消費量が現在の2倍になるため、現在の生産量ままでいくと、足りなくなると言われています。

また、情報が世界中どこでも行き交うようになったことで「食の欧米化」が起き、世界中で食文化の変化が起きています。一例をあげると、マクドナルドは世界約190カ国でサービスを展開しています。

また新興国の経済発展により、今まで炭水化物でお腹を満たしていた人たちが、タンパク質を積極的に摂取するようになりました。
この二つの大きな理由から、供給が需要を上回るという事態が起きています。

生産量を増やすことができない理由

現在主流の畜産方法だと、餌となる大量の穀物・家畜を育てるための土地・育てる人がの三つを増やす必要があります。
まず穀物を育てるための土地を確保するには、新たに土地を開墾しなければいけません。しかし、森林伐採は環境への負担が増えることから簡単にはできません。また、牛や豚などの家畜から発生するメタンガスは、二酸化炭素炭素に次ぐ温室効果ガスです。そのため、頭数を増やすことで、環境問題の悪化が懸念されています。

驚くことに世界の作物の36%が動物用飼料として消費されています。人口が増加していることで、人間の消費量が増えている中、飼料の増加は現実的な解決法には繋がらないとされています。これ以上の畜産の生産量の増加はとても難しい問題とされています。

新たなタンパク質としての食べ物

このようなタンパク質不足を解消するために、様々な取り組み・開発が日々行われています。今回は3つ食肉に変わる新たなタンパク質源を紹介します。毎日の食を少し変えるだけで環境問題の解決に貢献することもできます。

大豆ミート

日清食品の謎肉でも使われている大豆ミート。スーパーでもだんだん見かけることも増えました。

大豆ミートとは、原材料は大豆ですがお肉のような食感や味が楽しめる加工食品のことです。動物性タンパク質を取らないベジタリアンやビーガンをターゲットに販売されていましたが、近年では栄養価が高くヘルシーなことから人気になっています。

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しかし、大豆を育てるために土地や水が必要なことから、サステイナブルなシステムがまだまだ構築できていないという指摘もあります。

培養肉

細胞を増やして、肉を作る培養肉。動物の体内で行なわれている細胞培養を人工的に行うことで効率良く大量に生産することができます。数週間から2ヶ月ほどで完成するスピード感に加え、従来の畜産業から排出される二酸化炭素や廃棄物などの心配もないため、環境に優しい生産方法として注目されています。

インテグリカルチャー株式会社は、日本発の培養肉を作る会社です。大量培養細胞技術を使って先ほどあげたような社会問題を解決しようとしています。2017年にフォアグラを人工的に作り出すなどの成果もあげています。スーパーに商品として並ぶまでにはもう少し時間がかかりそうですが、今後のタンパク質不足には大きく貢献する技術の一つになると言えます。

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昆虫食

無印良品がコオロギせんべいを発売し話題となった昆虫食。日本の一部の地域では、すでに昆虫を食べる文化がありますが、実は世界規模で考えられているんです。栄養価が非常に高く、サステイナブルな生成環境が期待できます。
2013年以降世界には100社を超える昆虫食のスタートアップ企業が誕生しています。

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エリー株式会社は、日本初の蚕を食品として販売している会社です。蚕はタンパク質の他にもアミノ酸やオメガ3脂肪酸などの栄養素が豊富に含まれているため栄養食として考えることができます。まだまだ製品の幅は狭いですが、これからの製品が気になりますね。

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まとめ

今回は、世界で起きているタンパク質不足の現状と、今後の展望を解説してきました。まだまだ、現実的な解決方法はありませんが私たちの食生活が大きく変わることは間違いありません。世界中で、美味しい食事ができる未来にしていきたいですね。

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