パンの食品ロスをsdgsで解決!話題の企業事例を紹介

日本でも食品ロスの問題はよく耳にするようになりました。実は、パンは食品ロスになりやすい食材の一つ。

最近では、パン屋やパン工場で発生する食品ロスの解決を目指した企業事例が増えているのです。

この記事では、食品ロスの現状を分かりやすく解説するとともに、パンの食品ロスに着目した企業事例も紹介します。

安くおいしいパンを買える情報もあるので、ぜひ最後までお読みください。

パンの食品ロスは世界的に問題になっている!

令和2年度の日本における食品ロスは、522万トン。国民一人当たりが毎日お茶碗約1杯分の食べものを捨てていることになるのです。

そもそも、食品ロスとは、本来食べられるはずの食材が捨てられたものを意味します。売れ残りや食べ残し、期限切れや腐敗などさまざまな理由から大量の食料が捨てられているのです。

食品ロスの問題は、日本だけではなく世界に問題になっています。最近では、パンの廃棄量が多いことが指摘されています。

  • イギリスではパンの44%が廃棄されていることが明らかになった
  • フランスでは、国民一人当たり年間9本のバゲットを捨てている
  • ハウス食品が実施した調査によると、パンは日本の家庭で3番目に多く捨てられる食材

このように、世界中で愛されるパンではありますが、その裏では大量に廃棄されているという現実が隠れているのです。

パンの食品ロス削減は、SDGs目標「12.つくる責任つかう責任」

大量に廃棄されるパンを少しでも減らそうとする動きが活発化しています。SDGsの中でも、食品ロスを減らすことは明記されています。

「12.つくる責任つかう責任」は、持続可能な生産消費形態を確保することを目指した目標です。ターゲットの中には以下のような内容が示されています。

12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。

つまり、パンの食品ロスを減らすことは、「12.つくる責任つかう責任」に貢献するといえるのです。

社会全体の環境意識が高まる中、パンの食品ロスを生かした事業をはじめる企業が見られるようになりました。

  • 売れ残ったパンを販売するECサイト
  • パンをリユースした商品開発
  • アプリを使ったフードシェア

各企業がアイディアを駆使しながら、食品ロス削減に取り組んでいるのです。社会貢献をしながら、会社としても成長する姿は持続可能な社会における企業の見本になるともいえるでしょう。

では、どのような企業事例があるのでしょうか。今回は4つの取り組みをご紹介します。

パンの食品ロス問題に取り組む企業事例

企業事例①:リベイク

リベイクは、パンのお取り寄せサイトです。全国のパン屋で売られている商品を簡単に購入できます。中でも注目を集めているのが「ロスパン」。

ロスパンとは、食品ロスのパンの略称で各店舗で売れ残ったパンを意味します。食品ロスを削減すると同時に、パン屋の売上にも貢献しています。消費者にとっても通常価格よりも安く購入でき、おまけに社会貢献できるのが魅力です。

これまでに、全国で廃棄されそうになったパン「500t」の救済に成功しました。小麦畑の広さで換算すると、約100万㎡の土地からできる作物が捨てられずに済んだといえるそうです。

実際に購入してみると、段ボールにたくさんのパンが入っていました。売れ残りのパンのため、商品を自分で選べませんがどれもおいしかったです。冷凍保存もできるので、食べ切れずに捨てる心配もありません。

リベイクは提携パン屋が累計で1200店舗を超え、日本の約15%程度のパン屋さんが利用しています。今後、ますます注目が高まるのではないでしょうか。

リベイク公式サイト

企業事例②:TABETE

TABETEは、フードロスアプリです。アプリユーザーと飲食店や食品販売店をつなぐフードシェアサービスを提供しています。パン屋はもちろん、洋菓子やレストランなどさまざまなお店が参加しているのです。

アプリをダウンロードすると、売れ残った商品を販売しているお店が表示されます。自分が好きな商品を選び、決済もアプリ上で完了。あとはお店に行って、商品を受け取るだけなのでとても簡単に利用できます。

利用者は商品を買うというよりも食品ロスをレスキューした気分になれるので、楽しみながら社会貢献できるのが魅力です。

TABETEを導入した「PAUL 六本木一丁目店(株式会社レアールパスコベーカリー)」では、廃棄率が3%から2.1%へ好転。大幅なロス削減に成功しました。TABETE導入前の1営業日における廃棄量は100個程度で、販売価格でいうと3万円分ほど。導入後は、60個程度まで減らすことができたそうです。

パン屋と消費者が楽しみながら、食品ロス削減できる成功事例といえるでしょう。

TABETE公式サイト

企業事例③:夜のパン屋さん

神楽坂にオープンしたのが「夜のパン屋さん」。さまざまなパン屋で売れ残りそうなパンを預かり、販売しています。

「大切に作られた食べ物を最後まで売り切りたい、買う人には日替わりで、さまざまなパンの味を楽しめる店にしたい」という思いから生まれました。今までにない発想だったため、メディアにも多数取り上げられています。

営業は木曜、金曜、土曜の19時30分からで、その日に販売するパンはSNSで紹介しているそうです。

地域みんなでまちの食品ロス削減に取り組むという点が、地域密着型の企業事例といえるでしょう。

夜のパン屋さん公式サイト

企業事例④:本間製パン

本間製パンは、食品ロスになりそうなパンを再利用したり、アップサイクルした商品開発に努めています。

余った生地やパンを養豚業者へ譲り、飼料として活用しています。 養豚業者にとっても安く飼料が手に入るためメリットが大きいといえるでしょう。

また、余ったパンを新たな価値のある製品にアップサイクルしています。

  • 余ったパンの耳を使用した「スティックラスク」
  • 形が悪く弾かれたクロワッサンで作った「クロワッサンラスク」

など、新商品の開発に成功しました。現在では廃棄量を年間10%減らすことを目標に取り組んでいます。

パン屋だけではなく、食品メーカーも積極的に食品ロス削減に取り組んでいるといえるでしょう。

本間製パン公式サイト

まとめ

今回はパンの食品ロスでSDGsに貢献している企業事例を紹介しました。パンの廃棄は日本だけでなく世界でも問題になっています。

特にパン屋では焼きあがった商品を陳列するのが一般的です。店内においしそうなパンが並べられることで豊富な品揃えをアピールできるメリットがあります。けれども、その一方で毎日のようにパンの廃棄が出るという問題点があるのです。

このような廃棄の危機をそのままにするのではなく、ビジネスチャンスとして捉える企業も増えています。今回紹介した企業事例はただ減らすのではなく、生産者は売上があがり、消費者は安く購入できるという、みんなが笑顔に慣れる仕組みが整っていました。

消費者である私たちにできることは、このような社会貢献できるサービスを知り、積極的に利用することではないでしょうか。あなたの行動一つひとつが持続可能な社会の実現につながるのです。一緒にSDGs目標「12.つくる責任つかう責任」に貢献しましょう。

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