環境や健康意識が高まる中、動物性由来の成分を使用していないヴィーガン食やプラントベース食品の人気が増しています。
その中で注目される食材の一つが「プラントベースミルク」です。最近では、プラントベースミルクを使用した商品も続々と開発されています。
この記事ではプラントベースミルクの意味やメリットを解説します。さらに、プラントベースミルクを使用した商品も厳選してまとめました。
プラントベースミルクの魅力がわかる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
プラントベースミルクとは
プラントベースミルクとは、植物由来のミルクのことです。牛乳の代替品として、原料に大豆やアーモンドなどの植物由来の食材が用いられます。
これまでミルクといえば、動物性ミルクである牛乳が一般的でした。しかし、環境意識や健康意識が高まる中、プラントベースミルクの需要が増えています。
プラントベースミルクの種類
プラントベースミルクといえども、原料によって味や風味が変わってきます。以下にそれぞれの特徴をまとめました。
①豆乳
豆乳は大豆が原料のプラントベースミルクです。豆腐を固める前にできる乳液が豆乳に使用されます。
大豆をすりつぶしたものを絞ってできた汁が豆乳で、かすはおからとなります。そのため、豆乳には食物繊維はあまり含まれません。しかし、植物性タンパク質は高いです。
また豆乳は「無調整豆乳」と「調製豆乳」に分けられます。無調整豆乳は、原料は豆乳と水のみで、大豆固形分が8%以上(大豆タンパク質換算3.8%以上)のものを意味します。一方の調製豆乳は、砂糖や塩、油脂や香料などが含まれていて、大豆固形分が6%以上(大豆タンパク質換算3.0%以上)のものをあらわします。
よりヘルシーなものを選びたい方には無調製豆乳が、飲みやすさを重視したい方には調整豆乳がおすすめです。
②アーモンドミルク
アーモンドミルクとは、アーモンドから作られたプラントベースミルクです。アーモンドの生産量が多いアメリカやヨーロッパでは、古くから親しまれてきました。
アーモンドと水だけのものもありますが、食塩や砂糖、シナモンやバニラエッセンスなどのスパイスを加えて飲みやすくしている商品もあります。
アーモンドは、ビタミンEや食物繊維、オレイン酸が豊富です。
- ビタミンE:抗酸化作用
- 食物繊維:腸内環境を整える
- オレイン酸:生活習慣病の予防作用
これらのアーモンドに含まれる栄養素は、粒状よりも液体にした方が吸収率がいいと言われています。
参照:https://www.almondm-labo.jp/feature.php
③オーツミルク
オーツミルクは、オーツ麦を原料としたミルクです。オーツ麦には水溶性食物繊維が豊富に含まれています。炭水化物が多いため、満腹感を味わえます。
一方で、糖質が高いのが特徴です。飲み過ぎには注意しましょう。
④ココナッツミルク
ココナッツミルクは、成熟したココナッツの種子にある胚芽が原料です。低脂質で、カリウム・鉄・マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
ヘルシーな食生活を支えるココナッツミルクですが、酸化しやすいという特徴があります。開封したらなるべく早く使い切るようにしましょう。
⑤ライスミルク
ライスミルクは、発酵させた米や米粉に水を加えて作られたものです。主な原料は甘酒と同じですが、ライスミルクの方が喉ごしがあっさりしています。
ライスミルクには、食物繊維やビタミンB群、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれてます。
なぜプラントベースミルクが注目されているのか
プラントベースミルクが注目される背景には、環境や健康面におけるメリットがあるからです。では、どのようなメリットがあるのでしょうか。くわしくまとめました。
①環境にやさしい
プラントベースミルクは、牛乳に比べると環境にやさしいドリンクといえるからです。
環境省は「令和3年版環境白書」の中で、肉や魚、野菜等の栄養バランスを考慮した食生活を重要視しながらも、家畜は環境負荷が大きいことを述べています。肉類や乳製品の場合、飼料の生産、輸送に伴う二酸化炭素の排出だけではなく、家畜の消化器からのメタンが発生するため、環境負荷が大きくなってしまいます。
持続可能な社会の実現のためにも、プラントベースミルクの普及は欠かせません。
参照:https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r03/pdf/1_3.pdf
また、SDGsの目標「13.気候変動に具体的な対策を」において、気候変動の対策が訴求されているのもあり、世界中で食材選びについてエコかどうかを重視する人が増えています。
プラントベースミルクは、未来の地球環境を守るために欠かせない食材といえるでしょう。
②身体にやさしい
プラントベースミルクの場合、牛乳などの動物性ミルクとは違って、乳糖やコレステロールがほぼ含まれません。
カルシウムはないものの、低カロリーであるものが多いため、ヘルシーな食生活をしたい方にもおすすめです。
③食の多様性につながる
プラントベースミルクの普及は、誰もがミルクを飲める機会を増やすことにもつながっています。
乳のアレルギーをもつ方やヴィーガンの方の場合でも、プラントベースミルクならミルクを飲んだり料理に使用したりできます。
誰もが制限なく食事を楽しめるプラントベースミルクは、食の多様性を後押ししているともいえるでしょう。
プラントベースミルクを使用した企業事例
最後に、プラントベースミルクを使用したおすすめ商品を紹介します。今回は日本の企業事例に絞ってまとめました。
①ロッテ
ロッテは、人気商品であるガーナのプラントベースバージョンである「グリーンガーナ」を発売しました。牛乳の代わりにオーツミルクを使用していて、食物繊維も豊富です。
環境負荷につながる包装にも努めているため、人にも環境にもやさしいチョコレートといえます。
参照:https://www.lotte.co.jp/products/catalogue/choco/01/detail145.html
②カゴメ
カゴメでは、プラントベース商品開発に努めています。レトルトカレーやパスタソースなどが好評です。
例えば「野菜と豆のマッサマンカレー」の場合、肉の代わりに大豆を使用し、牛乳の代わりに豆乳を使用しています。
動物性由来の成分を一切使用しないことで、食の多様性を後押ししているといえるでしょう。
参照:https://www.kagome.co.jp/products/food/A4133/
③マルサン
マルサンは、プラントベースミルクである豆乳を使用したスライスチーズ風食品を発売しました。コレステロールも95%カットしています。
筆者自身も実際に食べてみました。クリーミーでおいしかったです。ただチーズと同じ味ではないので、ご注意ください。
参照:https://www.marusanai.co.jp/lineup/detail-64092/
④エスビー
エスビーは、動物性由来の食材を使用せず、プラントベースの食材だけを使用したパスタソースを開発しました。
味は2種類で「大豆ミートとごろっとなすのボロネーゼ」と「豆乳クリームと燻製こしょうのカルボナーラ」です。どちらにも牛乳の代わりに豆乳を使用しています。
参照:https://www.sbfoods.co.jp/products/category/brand/?category=00700&brandgroup=00200&brand=01100
⑤UPBEET!Tokyo
UPBEET!Tokyoは、ヴィーガン&グルテンフリースイーツを手がけています。ドーナツやブラウニーなどの定番焼き菓子を展開していますが、すべての商品において動物性由来の食材を使用していません。
牛乳の代わりに豆乳やオーツミルクを使用しています。
誰もが美味しく食べられるように100%プラントベースであることにこだわっています。ヘルシーで見た目がかわいいことから芸能人やインフルエンサーからも人気です。
参照:https://upbeettokyo.com/
⑥ビオ・セボン
フランス発のオーガニックスーパーであるビオ・セボンでは、さまざまなプラントベースミルクを取り扱っています。
「ライスミルクヘーゼルナッツ」「ライスミルクカカオ」「ココナッツライスミルク」など、他ではあまり見ないフレーバーもあるのが特徴です。
店舗だけではなく、オンラインでも販売しています。
参照:https://www.bio-c-bon.jp/category/908E0000
まとめ
プラントベースミルクとは、植物由来の食材を原料としたミルクです。牛乳の代用品として用いられています。
ミルクの選択肢が増えたことで、乳のアレルギーがある方やヴィーガンの方でも気軽にミルクを摂取できるようになりました。
環境負荷が小さく、ヘルシーであるプラントベースミルクは、今後さらに需要が増えるといえます。