水道やトイレを利用できることは、当たり前ですよね。
実は、世界でみると、4人に1人が清潔な水を使うことができません。
だからこそ、SDGsの中には「安全な水とトイレを世界中に」という目標が掲げられています。
けれども、「具体的にどのような目標なのか」「世界にはどのような取り組みがあるのか」についてイメージできない方も多いのではないでしょうか?
今回はSDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」についてわかりやすく解説します!
自分たちにできる取り組みもご紹介しますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」はどうして必要なのか?
では、どうして「安全な水とトイレを世界中に」という目標が必要なのでしょうか?
なぜなら、現在でも23億人が自由に水を使うことができないからです。安全な水を利用できないことで、様々な社会問題を引き起こしています。
病気に関わる問題
1つ目は病気に関わる問題。なぜなら、不衛生な水は病気のリスクを高めるからです。
例えば安全な水を飲むことができなければ、下痢や嘔吐を引き起こし、最終的に脱水症状になって命を落としてしまいます。この影響で、毎日800人以上の子どもたちが亡くなっているのが現状です。
つまり、安全な水を飲める環境を整えることで、多くの命を救うことができます。
教育に関わる問題
2つ目は教育に関わる問題です。なぜなら、水汲みのせいで、学校に行けない子供たちが多くいるからです。
実際に、13歳の女の子が毎日水汲みのために8時間費やしています。その水は、わずか5 Lで決して安全な水とは言えません。
このように水を確保するための生活を強いられている子どもが存在します。そのため、学校へ行くことを諦めるしかないのです。
つまり、安全な水は多くの子供たちに教育の場を与えるということにも繋がります。
衛生面に関わる問題
3つ目は、衛生面に関わる問題です。もし、屋外で用を足さなければならない環境で、毎日過ごすとどうなるでしょうか。衛生的に良くないことが簡単に想像できますよね。
実は、現在でも約20億人の人がトイレを使うことができないと言われています。さらに、屋外でも排泄で人権を深く傷つけられている人も多く存在することを忘れてはいけません。
一人でも多くの人が快適に生活できるように、安全な水やトイレを普及させることが大切です。
水不足に関わる問題
最後は、水不足に関わる問題です。水は大切な資源。無駄遣いをし続けると、貴重な水はどんどん失われていきます。
このままの状況で、人口が増加すれば深刻な水不足や食料不足に陥ると言われています。
だからこそ一人ひとりが、「水を大切に使おう」という意識を持つことが非常に大切です。
SDGs6「安全な水とトイレを世界中に」とは?
「安全な水とトイレを世界中に」とは、どのような目標なのでしょうか。
ここでは、目標とターゲットについて詳しく解説します。ちなみにターゲットとは、目標を具体化したものです。
目標6「安全な水とトイレを世界中に」
誰もが安全な水とトイレを使える世界にすることを目指しています。なぜなら、多くの命を救うことができるからです。
衛生環境が整えば、伝染病など予防できる病気の発生を防ぐことができます。安全な水やトイレを使うことができずに苦しんでいる人を取り残さないことが求められています。
ターゲット
では、具体的な内容を知るためにターゲットもみていきましょう。「6-1」のような数字の項目は、具体的な達成目標を示しています。また「6-a」のようにアルファベットで示されるものは、実現のための方法を表しています。
6-1
2030年までに、だれもが安全な水を、安い値段で利用できるようにする。6-2
2030年までに、だれもがトイレを利用できるようにして、屋外で用を足す人がいなくなるようにする。女性や女の子、弱い立場にある人がどんなことを必要としているのかについて、特に注意する。6-3
2030年までに、汚染を減らす、ゴミが捨てられないようにする、有害な化学物質が流れ込むことを最低限にする、処理しないまま流す排水を半分に減らす、世界中で水の安全な再利用を大きく増やすなどの取り組みによって、水質を改善する。6-4
2030年までに、今よりもはるかに効率よく水を使えるようにし、淡水を持続可能な形で利用し、水不足で苦しむ人の数を大きく減らす。6-5
2030年までに、必要な時は国境を越えて協力して、あらゆるレベルで水源を管理できるようにする。6-6
2020年までに、山や森林、湿地、川、地下水を含んでいる地層、湖などの水に関わる生態系を守り、回復させる。6-a
2030年までに、集水、海水から真水を作る技術や、水の効率的な利用、排水の処理、リサイクル・再利用技術など、水やトイレに関する活動への国際協力を増やし、開発途上国がそれらに対応できる力を高める。6-b
水やトイレをよりよく管理できるように、コミュニティの参加をすすめ、強化する。
押さえておきたいポイント
それでは、目標6「安全な水とトイレを世界中に」の中で押さえておきたいポイントをまとめておきましょう。
- だれもが安全な水を安く利用できるようにする。
- トイレを普及させ、屋外で用を足す人をなくす。
- 持続可能な水の再利用や水質管理に努める。
- 水にかかわる生き物を守る。
以上の取り組みを、国境を超えて協力し合うことが大切です。
世界的な取り組み
目標6「安全な水とトイレを世界中に」の達成に向けて、世界にはどのような取り組みがあるのでしょうか?
詳しくみていきましょう。
国際デー「世界水の日」
毎年3月22日は、「世界水の日」。これは国連総会で定められました。
水の重要性や清潔な水を利用できる有り難さを、世界中の人たちと一緒に考えることを目的としています。
「世界水の日」に合わせて、水の問題について学べるイベントが開催されます。国境を超えて、水の大切さを学び合える機会があることは素敵ですよね。
参照|jica|3月22日は、国連「世界水の日」(World Water Day)!
ユニセフ「世界トイレの日」プロジェクト
2013年に、国連は毎年11月19日を「世界トイレの日」としました。
今でも3人に1人がトイレを使えないことや、屋外での排泄によって人権が傷つけられている人が6億7300万人もいるという現状を知ってもらうことを目的としています。
さらにユニセフでは、トイレの問題を解決するために、世界中でトイレの作り方を指導したり、トイレ作りに必要な資材を送ったりしています。さらに、予防医療として、手洗いの大切さを指導することで、一人でも多くの命を救うことも目指しています。
ウォーターエイド
「ウォーターエイド」は、世界中にある水やトイレの問題解決に取り組んでいるNGO。
「すべての人々がすべての場所で、清潔な水とトイレを利用し、衛生習慣を実践できる世界」というミッションを掲げています。だれもが清潔な水を利用できるよう、専門性を生かして「水」「トイレ」「衛生習慣」の改善に取り組んでいます。
自分たちにできること
それでは、自分たちにできることは、どのような行動なのでしょうか?
今回は無理なく始められる行動を3つご紹介します。
節水に協力する
節水に協力することも立派な貢献です。なぜなら 、一人一人の意識が水不足の解決に繋がるからです。
どうしても、「水は使い放題」という意識が強いですよね。しかし、地球上で使える生活用水はわずかしかありません 。
例えばシャワーの使用時間や洗濯機の回数を減らすだけでも、かなりの節水になります。さらに、節水は節約にも繋がるので環境にもお財布にも優しいです。
汚れた水をできるだけ流さない
汚れた水をできるだけ流さないという行動も大切です。なぜなら、汚れた水をきれいにする時に多くの資源を使うからです。
例えば、「マヨネーズ大さじ一杯」の汚れを清潔な水にするためには、バスタブ13杯分の水が必要と言われています。そのため、皿洗いの前に古紙で汚れを拭き取るなど、汚れた水をできるだけ流さない工夫が大切です。
寄付に協力する
寄付に協力することも大きな力になります。けれども、寄付はハードルが高いという方もいらっしゃいますよね。
しかし、先ほど紹介した「ウォーターエイド」では、お金以外での協力が可能です。余っているハガキや切手、さらにTポイントでも寄付することができます。
公式ホームページから、簡単に寄付をすることができるので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
今回は、SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」に関するターゲットや具体的な取り組みについてご紹介しました。
すべての人に安全な水とトイレを届けることの大切さがよく分かりました。水で命を救うことも、教育の場を与えることも、人権を守ることもできます。
私たちは、水やトイレを自由に利用できることに感謝しながら、自分たちにできることを続けていくことが大切なのではないでしょうか 。