今や日本でのみならず、世界でもファストファッションの代名詞となりつつあるUNIQLO。

このUNIQLOも、いち早くSDGsの目標達成のための取り組みを始めた企業のひとつです。

では、UNIQLOはどのような方法でSDGsのどの目標の達成に貢献しているのでしょうか。

ここでは、UNIQLOのSDGsへの取り組みについて解説していきます。

UNIQLOのSDGsへの取り組み

ユニクロとSDGs | 服のチカラを、社会のチカラに。 UNIQLO Sustainabilityより

UNIQLOは、1984年の6月に1号店をオープンさせました。

UNIQLOの創業当時からの明確な理念は、「服を通じてあらゆる人の生活を良くする」ことです。

これをUNIQLOは「MADE FOR ALL」という言葉で表し、その言葉は「Life Wear」の中心となる理念です。

2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されたSDGsの目標達成のために、UNIQLOは「服のチカラ」で貢献できると考え、さまざまな取り組みを行っています。

ここでは、UNIQLOがSDGsの目標達成のために取り組んでいる事例について解説していきます。

環境に対する取り組み

UNIQLOを展開するファーストリテイリングは、環境分野における気候変動への対応、エネルギー効率の向上、水資源の管理、廃棄物削源と資源効率の向上、化学物質管理の5つの領域に注力し、環境に与える負荷を軽減する取り組みを行っています。

また、それと同時に責任ある原材料調達とサステナブルな商品開発を進めています。

日本国内においては、日本のふるさとの豊かな自然を次世代につなぐことを大切に考えていて、2001年から瀬戸内海の美しい自然を守るために作られた「瀬戸内オリーブ基金」に賛同し、募金活動や従業員ボランティアを行っています。

環境負荷に配慮した商品開発

UNIQLOが行う全商品をリサイクルまたはリユースする取り組み「RE.UNIQLO」という取り組みを通じて、服から服へのリサイクルを目指しています。

その取り組みのひとつに、世界中のクローゼットで眠っているUNIQLOのダウン商品を回収し、最新のアイテムへと生まれ変わらせるというものがあります。

この取り組みにより、資源を有効活用して環境への負荷を軽減することができます。

今後はダウン以外の商品でも、服から服へのリサイクルの対象を広げていく予定です。

使用する水の量を従来と比較して仕上げ加工時に最大99%削減した、「BLUE CYCLE JEANZ(ブルーサイクルジーンズ)」と開発するなど、よりサステナブルな商品を作り出す取り組みも行っています。

衣料品の大量生産・大量消費に対する取り組み

UNIQLOは、シンプルかつ高機能で質の高い服を作り、お客様に長く愛用してもらえることを目的としています。

ここでいう良い服とは、単に見た目や機能性、価格のことだけではありません。

UNIQLOが考える良い服とは、服を作る過程で生地を無駄にしない、原材料となる資源を有効に使用する、工場では水や電気を無駄にしないなどの環境のことまで考えられたものです。

さらに、お客様から寄せられたご意見を分析して、商品の細部に至るまで細かな改良を加えたり、生産数量の予想精度の改善や物流改革を行ったりすることで、お客様が求める「良い服」を必要な量と適切なタイミングで販売することで、生産や販売における無駄を削減する取り組みを行っています。

このような取り組みを行っても在庫として残ってしまった商品に関しては、値下げを行ったり翌シーズンへと持ち越したりすることで、廃棄せずすべて売り切る方針を取っています。

また、販売後の商品についてもしっかりとした責任を果たすため、全商品を回収しリユース・リサイクルを行う取り組み「RE.UNIQLO」(リユニクロ)を進めています。

このような取り組みを通じて、今後も服を無駄にしないサイクルを作り上げていきます。

人権・労働環境への配慮

1枚の服は、原材料を作る農家で働く人、工場で生地の加工や縫製をする人など多くの人に支えられて作られています。

このような人たちのすべてが仕事にやりがいを持って生き生きと働くことで、「良い服」を作り上げることができるのです。

そのため、服作りに関わる人たちの権利を尊重し安心して働くことができる環境を作ることは、「良い服」を作るために欠かすことができない最も大切なことのひとつです。

UNIQLOを展開するファーストリテイリングは、取引先工場の労働環境や人権を守る「生産パートナー向けのコードオブコンダクト【行動規範:尊守すべき基本事項】」を設けています。

これに基づいて第三者機関による監査を実施し、指摘事項の改善を求めていくほか、取引先工場の従業員が職場の問題をファーストリテイリングに直接相談できるホットラインの設置を進めています。

UNIQLOのSDGsはどの目標に該当するか?

ここでは、ここまで紹介したUNIQLOの取り組みがSDGsのどの目標に該当するかについて解説していきます。

環境に対する取り組みに該当する目標

UNIQLOは、5つの環境に対する注力領域で環境の負荷の低減を進めています。

この取り組みによりSDGsの目標6安全な水とトイレを世界中に、目標12つくる責任つかう責任、目標13気候変動に具体的な対策を、目標14海の豊かさを守ろう、目標15陸の豊かさも守ろう、目標17パートナーシップで目標を達成しようの6つの目標達成に貢献しています。

環境負荷に配慮した商品開発に該当する目標

UNIQLOが環境負荷に配慮した商品開発「RE.UNIQLO」を推進していくことで、SDGsの目標3すべての人に健康と福祉を、目標6安全な水とトイレを世界中に、目標12つくる責任つかう責任、目標13気候変動に具体的な対策を、目標14海の豊かさを守ろう、目標15陸の豊かさも守ろう、目標17パートナーシップで目標を達成しようの7つの目標の達成に貢献しています。

衣料品の大量生産・大量消費に対する取り組み該当する目標

UNIQLOは全商品をリサイクル、リユースする「RE.UNIQLO」を進めることで衣料の大量生産・大量消費を防ぐ取り組みを行っています。

これにより目標3すべての人に健康と福祉を、目標6安全な水とトイレを世界中に、目標12つくる責任つかう責任、目標13気候変動に具体的な対策を、目標14海の豊かさを守ろう、目標15陸の豊かさを守ろう、目標17パートナーシップで目標を達成しようの7つの目標達成に貢献しています。

人権・労働環境への配慮に該当する目標

1枚の服は、出来上がるまでにさまざまな人によって加工されます。

そのような服を作る現場で働く人達への人権及び労働環境についても、UNIQLOはしっかりとした配慮を行っています。

こうした配慮は、SDGsの目標3すべての人に健康と福祉を、目標8働きがいも経済成長も、目標9産業と技術革新の基盤を作ろう、目標12つくる責任つかう責任、目標16平和と公正をすべての人に、目標17パートナーシップで目標を達成しようの6つの目標達成に貢献しています。

まとめ

ここまで、UNIQLOのSDGsに対する取り組みについて解説してきました。

UNIQLOのSDGsに対する取り組みの特徴は、自然環境に対するものだけではなく、UNIQLOやその関連の工場などで働く人に対するものもしっかりと含まれているということです。

このことから「良い服」とは、自然環境に配慮するだけではなく、その過程で働く人たちが生き生きと服作りに関わることで初めて出来上がるものであるというUNIQLOの考え方が良く分かります。

ファストファッションとして有名になったUNIQLOですが、その1枚の服が出来上がるまでになされる自然環境や働く人への配慮は、決して「Fast Fashion」と呼べるものではないことがお分かりいただけたと思います。

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