SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」とは?知って得するキーワードから取組みまで徹底解説!

SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」はご存知ですか?
なんとなく想像はできるけど、具体的な内容や取組みはピンと来ないという方も多いのではないでしょうか。

実は、この目標は他のすべての目標達成に関わる重要な目標です。
今回はSDGsの最後の目標である「パートナーシップを達成しよう」がより明確に理解できるように、知って得する重要なキーワードから実際の取組みまで徹底解説します!

どうして目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」が必要なのか?

どうして、パートナーシップで目標を達成することが必要なのでしょうか?

なぜなら、一人もしくは一つの国でSDGsを達成することが不可能だからです。17の目標の内容は多岐に渡ります。
そのため、その国で解決できる問題もあれば、国と国、国と企業が協力し合って解決しなければならない問題も多くあります。

全ての目標を達成するためには国、企業、地域、学校、家庭、個人が当事者となって積極的に行動することが求められています。
つまり、SDGsの達成はあらゆる人の協力があって初めて実現するものです。だからこそ、パートナーシップが必要であると言えます。

目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」とは?

世界のすべての人が協力し合い、目標を達成することを目指しています。

国を超えたパートナーシップがなければ、よりよい未来を作ることはできません。誰一人取り残さない持続可能な社会の実現を叶えるためには、私たち一人一人が担い手であるという自覚を持たなければなりません。みんなで力を合わせてあらゆる問題に立ち向かうことが大切です。

ターゲットの6大キーワード!

目標17には全部で19個のターゲットが存在します。ターゲットとは、目標をさらに具体化したもの。今回紹介する19のターゲットは、以下の6つに分類することができます。

  • 資金
  • 技術
  • 能力構築
  • 貿易
  • 制度・政策
  • データ、モニタリング、説明責任

正直これだけではイメージしづらいですよね。しかし、どの要素も目標達成に欠かすことができません。では、この6つのキーワードごとに、ターゲットを詳しく解説していきましょう。

資金

ターゲット

17-1
開発途上国の、税金やその他の収入を集める能力を向上するための国際的な支援などによって、国内の資金調達を強化する。

17-2
開発途上国に対する政府開発援助(ODA)を国民総所得(GNI)の0.7%に、もっとも開発が遅れている国へのODAをGNIの0.15~0.2%にするという多くの先進国が約束している目標の達成をふくめ、先進国は、ODAに関する約束を完全に実行する。もっとも開発が遅れている国に対するODAは、GNIの少なくとも0.2%を目標にかかげることを検討することが望ましい。

17-3
複数の財源から、開発途上国のための資金をもっと集める。

17-4
国の借金による資金調達や、借金の取り消しや減額、期間の延長などの借金の返し方の再検討をすすめるための、協力的な政策を通して、開発途上国の借金が、長い期間にわたって、やりくりし続けられる形になるように支援する。外国から多くのお金を借りている貧しい国の借金について、返済が困難な状況を軽くするような対応をとる。

17-5
もっとも開発が遅れている国への投資をすすめるための仕組みを取り入れ、実施する。

解説

開発に遅れている国が持続可能な成長ができるような資金援助が必要です。そのために、先進国が中心となって政府開発をサポートしなければなりません。政府開発を目的に集められた資金は今後もさらに必要です。

ODA(政府開発援助)とは?

ODA(政府開発援助)とは、先進国などが、開発途上国の経済の発展、インフラや福祉の向上に役立つために、資金・技術を提供することです。

GNI (国民総所得)とは?

その国に住む人が1年間に得た合計の所得です。

出典|国連連合総合センター|「SDGs報告2021」

技術

ターゲット

17-6
科学技術イノベーションとその活用に関する南北協力、南南協力や地域的、国際的な三角協力を強化する。また、国連をはじめとして、すでにあるさまざまな協力の仕組みをさらに良いものにすることや、全世界的な技術を進める仕組みなどを通して、お互いに合意した条件で知識の共有をすすめる。

17-7
開発途上国に対して、環境にやさしい技術の開発や移転、普及をすすすめる。そのとき、互いに合意した、開発途上国にとって有利な条件のもとですすめられるようにする。

17-8
2017年までに、もっとも開発が遅れている国ぐにが、科学技術イノベーションに関する能力を高められる仕組みや、技術バンクが完全に運用されるようにし、特に情報通信技術(インターネットなど)をはじめ、さまざまなことを実現できる技術をより使えるようにすすめる。

解説

先進国からの技術の提供も必要です。特に情報通信に関する技術提供が重要視されています。なぜなら、先進国と途上国の間には情報格差が大きすぎるからです。

さらに、ただ技術を提供するだけでなく、環境に配慮した技術開発など、持続可能な技術を提供することが必要であると記されています。

南北協力とは?

欧米や日本など主に北に位置する先進国が、アフリカ地域など南に位置する開発途上国に協力すること。

南南協力とは?

開発途上国が互いにサポートすること。ある分野で開発が進んだ国が他国を援助することを意味します。

三角協力とは?

先進国や国際機関が、第三者として南南協力が円滑に進むように支援することを表します。

能力構築

ターゲット

17-9
SDGsにかかげられたすべてのことを実施するための国の計画を支援するために、南北協力や南南協力、三角協力などを通じて、開発途上国において、効果的で的をしぼった形で能力を高めていけるように、国際的な支援を強化する。

解説

あらゆる方向から、開発途上国における効果的で必要感のある能力開発の実施の強化が求められています。開発途上国の全体的な能力の向上ができるように積極的に支援をして行かなければなりません。

貿易

ターゲット

17-10
ドーハ・ラウンドで話し合われた結果をふくめ、世界貿易機関(WTO)のもとで、すべてに共通し、ルールに基づいた、差別のない公平な多角的貿易体制をすすめる。

17-11
開発途上国からの輸出を大きく増やす。特に、もっとも開発が遅れている国ぐにの世界の輸出にしめる割合を2020年までに2倍に増やす。

17-12
すべての、もっとも開発が遅れている国ぐにが、継続して無税・無枠で市場を利用できるようにする対応を、タイミングよく実施する。これは、それらの国ぐにからの輸入について定められる有利な決まりを、簡略でわかりやすく、市場への参加をすすめるものにすることをふくめ、世界貿易機関(WTO)の決定にそった形でおこなう。

解説

多く国が参加でき、差別のない公平な貿易の実現を目指しています。

現状では、開発途上国はインフラ整備や輸送コスト、不平等な取引などの貿易に関する問題を多く抱えていえています。

開発途上国による輸出の大幅に増加させ、市場アクセスもより円滑にできるようサポートし、貿易の活性化を図ることが求められています。

ドーハ・ラウンドとは?

ラウンドは、世界貿易機関(WTO)に加盟する国が参加する貿易交渉の場です。開催場所(カタールの首都ドーハ)の名前をとり、「ドーハ・ラウンド」となりました。正式名称は「ドーハ・開発・アジェンダ(DDA)」と言います。

多角的貿易体制とは?

WTOのもと多くの国が参加し、その中で交渉して作成されたルールに基づいて、世界的な貿易を行う仕組みのことを表します。

無税・無枠とは?

本来なら輸入されるものに関税をかけます。しかし、その関税をなしにしたり、輸入する量によって関税を免除したりかけたりする基準の枠を設けないことを意味します。

制度・政策

ターゲット

17-13
各国が政策の足並みをそろえたり、一貫した政策をとったりすることによって、世界の経済全体がより安定するようにする。

17-14
持続可能な開発のために、一貫した政策がとられるように強化する。

17-15
貧困をなくすことと、持続可能な開発のために、政策を作ったり実施したりするときには、それぞれの国が決められる範囲や各国のリーダーシップを尊重する。

解説

高いレベルでの政策統合や機関の調整が必要であると言えます。なぜなら、SDGsでは多岐にわたった目標を掲げられており、世界の経済を安定させながら目標達成を同時に進めていくために、一貫した政策が欠かせないからです。

マルチステークホルダー・パートナーシップ

ターゲット

17-16
すべての国、特に開発途上国でのSDGsの達成を支援するために、持続可能な開発のための世界的なパートナーシップ(協力関係)を強化する。知識、専門知識、技術や資金を集めて共有する、さまざまな関係者によるパートナーシップによって、これを補う。

すべての国、特に開発途上国でのSDGsの達成を支援するために、持続可能な開発のための世界的なパートナーシップ(協力関係)を強化する。知識、専門知識、技術や資金を集めて共有する、さまざまな関係者によるパートナーシップによって、これを補う。

17-17
さまざまなパートナーシップの経験などをもとにして、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップをすすめる。

解説

政府などの公的機関と企業や大学などの民間機関が手を取り合って、共通の課題解決に向けて支え合って行動していくことが大切です。

SDGsの達成は、政府の力だけでは不十分です。企業、大学、個人など、さまざまな人が参加し、役割を果たしパートナーシップを強化しながら進めていかなければなりません。

マルチステークホルダーとは?

政府や自治体などの公的機関と、企業や大学などの民間機関による協力のことです。

データ、モニタリング、説明責任

ターゲット

17-18
2020年までに、もっとも開発が遅れている国ぐに、開発途上の小さい島国をふくむ開発途上国に対して、能力を高めるための支援を強化して、収入、性別、年齢、人種、民族、居住資格、障がい、居住地、その他その国に関係する特徴別に分けることができる、質が高く、信頼できる、タイムリーなデータを、はるかに多く利用できるようにする。

17-19
2030年までに、持続可能な開発がどれだけ進んだかを測るための、国内総生産(GDP)以外の測り方を開発する取り組みをさらに進め、開発途上国における統計に関する能力を高めるための支援をおこなう。

解説

政府や企業などにおいて、それぞれの国の状況を世界レベルで正確に比較できるようなデータが必要不可欠。なぜなら、目標を達成するには、現状を正しく知ることが大切だからです。

特に開発途上国においても質が高く正確なデータを取得できるように、支援を強化していく必要あります。

引用|日本ユニセフ協会|17.パートナーシップで目標を達成しよう|

企業の取組み「ヤマハ・スクールプロジェクト」

ヤマハのスクールプロジェクトとは、楽器を直接触って学ぶことができない子供たちに音楽教育の場を提供する取組みです。

世界では、 設備や指導者不足などから、公教育の場で音楽教育ができない国が多く存在します。

この問題を解決するために、ヤマハは、政府の教育機関とパートナーシップを結びながら、「楽器・教材・指導ノウハウ」をパッケージにした独自プログラムを提供しています。

子供たちに楽器の楽しさが伝わるように、リコーダーやピアニカなどを演奏しながら学べるコンテンツを導入し、展開を進めているそうです。

自分たちにできる!3ステップ!

それでは、私たちにできることがどんなことでしょうか。

ステップ1:自分もSDGsの達成に必要な担い手であるという意識を持つ
ステップ2:SDGsで学んだことや実践したことを家族や友人など周りへ発信する
ステップ3:住んでいる地域のSDGs取組みを知り、イベントなどに参加する

SDGsのパートナーシップに興味はあるけど、何をすべきか分からないという方もいらっしゃいますよね。まずは難しく考えずに、ステップ1の意識を変えることから始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回はSDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」について解説しましたが、いかがだったでしょうか?

SDGsの17個の目標には複数の分野の内容が含まれています。だからこそ、あらゆる人の協力が欠かせません。

国や企業などが一丸となり、「資金」「技術」「能力構築」「貿易」「制度・政策」のそれぞれの面で頑丈なパートナーシップを築いていくことが必要です。

私たちも人任せにするのではなく、当事者である意識を持って自分たちにできることから行動していくことが大切なのではないでしょうか。

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