外食の食品ロス削減!お持ち帰りのメリット・デメリットを解説!

外食を楽しんだあと、料理が食べきれなかった経験はありませんか。「もったいないから、お持ち帰りできたらいいのに」と思った方も多いかもしれません。

最近、食品ロス削減につながるため、日本でも食べ残しのお持ち帰りが注目されています。

今回は、食べ残しを持ち帰るメリット・デメリットをくわしく紹介します。お持ち帰り可能な飲食店もまとめました。

残った料理を持ち帰る魅力をみていきましょう。

海外では当たり前?食べ残しのお持ち帰り

アメリカやヨーロッパでは、飲食店で食べきれなかった料理を持ち帰ることはよくみる光景です。もともとは、飼い犬のために持ち帰ったことから、英語では「doggy bag(ドギーバッグ)」と呼ばれています。

また、フランスでは、持ち帰る文化は品がないとされ、食べ残しの持ち帰りは浸透していませんでした。けれど、フランス政府が食品ロスを削減するために、ドギーバッグの提供を義務化したのです。現在は「グルメバッグ」という名称やデザイン性の高い容器などが導入され、以前よりも普及しています。

そして、日本も食べ残しを持ち帰る習慣がない国の一つ。環境省が2021年に行った調査によると、食べ残しの持ち帰り経験がある割合が23.3%、持ち帰ったことがないと割合は76.7%でした。

しかし、環境意識が高まる中、日本でも食べ残しのお持ち帰りが注目されています。

参照:環境省|飲食店における食べ残しの持ち帰りに関するアンケート調査(PDF)

食べ残しのお持ち帰り!3大メリット

なぜ、残った料理を持ち帰ることが必要なのでしょうか。食べ残しのお持ち帰りは、消費者と経営者のどちらにもメリットがあります。

①食品ロスが減る

お持ち帰りをして食べ残しを減らすことは、事業系食品ロスを減らすことにつながります。

日本は令和3年度の食品ロスは約523万トン、事業系食品ロスは279万トンでした。そのうち、外食産業は約80万トンといわれています。

食品ロスは焼却時に地球温暖化を加速させる二酸化炭素を排出し、埋め立てすることで環境汚染を助長させてます。

持続可能な社会を実現させるためには、環境負荷の大きい食品ロスは、少しでも減らすことが欠かせません。

食べ残しを持ち帰る文化が浸透すれば、食品ロスを減らすことにつながるといえるでしょう。

参照:消費者庁|令和3(2021)年度食品ロス量推計値の公表について

②無駄遣いが減る

注文したのに食べきれない料理をみて「お金がもったいなかった」と感じた経験がある方もいるのではないでしょうか。

けれど、食べ残しを持ち帰れば、お金が無駄になることはありません。

③食べ残しを処理するコストと手間が減る

食べ残しが減れば、飲食店が生ごみを処分する手間やコストも削減できます。

事業系の廃棄物は、家庭ごみと違って事業者が責任をもって処理しなければなりません。費用は店によって異なりますが、月100〜150kgの廃棄量で4万以上かかるといわれています。

残った料理を持ち帰ることは、飲食店側にも大きなメリットがあるといえるでしょう。

食べ残しを持ち帰るデメリット

日本で残った料理を持ち帰る習慣が普及しないのは、懸念すべき点があるからと考えられます。以下に、どのようなデメリットがあるのかまとめました。

①食中毒のリスクがある自己責任

食べ残しを持ち帰ることは、店内で食べるよりも食中毒のリスクが高まります。食品の衛生管理を徹底できないことが日本で普及しない最大の理由でしょう。

厚生労働省や消費者庁なども、残った料理を持ち帰る際は、安全管理について留意するよう呼びかけています。

②容器の準備が必要

残った料理を持ち帰る場合、容器が必要になります。お店からもらうか、自分で用意しなければいけません。

容器の手間もデメリットといえるでしょう。

政府の取り組み!「mottECO(モッテコ)」

まずは、政府の取り組みを紹介します。

mottECO(モッテコ)とは

mottECO(モッテコ)とは、「食べ残しを持って帰る文化」を普及させるプロジェクトです。環境省が中心となり、食品ロス削減を目指しています。

パートナーとなった飲食店では、専用の持ち帰り容器でお持ち帰りができます。容器は環境に配慮した紙を使っていて、利用には税込33円が必要です。

活動が高く評価され、令和5年10月に「食品ロス削減推進表彰審査委員会委員長賞」を受賞しました。

モッテコを実施している企業

モッテコを利用できる店舗は以下の外食企業やホテルです。

  • デニーズ
  • ロイヤルホスト
  • びっくりドンキー!
  • ホテルメトロポリタン
  • 和食さと
  • 東京都杉並区

など

持ち帰る際の注意点

残った料理を持ち帰る前に、リスクと安全に食べる方法を知っておくことが大切です。

  • 食べ残しの持ち帰りは自己責任。
  • 生ものや傷みやすいものは持ち帰らない。
  • 容器への移し替えは自分で行う。清潔な箸などを使って作業する。
  • 帰宅後はできるだけ速やかに食べる。
  • 十分に加熱してから食べる。
  • 暑い時期や長時間の持ち運びは避ける。

飲食店で提供され、常温で長時間置かれた料理は、食中毒のリスクが高まります。匂いや変色など、少しでも異変を感じたら食べるのはやめましょう。

食べ残しのお持ち帰りを導入!企業事例

少しずつですが、独自で食べ残しのお持ち帰りを導入する外食企業も増えています。今回は全国に店舗を展開する大手チェーン店を紹介します。

スカイラーク

大手外食企業「スカイラーク」では、グループ店でお持ち帰りを導入し、店内での食べ残し削減に努めています。

料理が残った場合は、希望により持ち帰り用の「もったいないパック」の利用が可能です。メニューを注文するタブレットから、「もったいないパック(税込20円)」を選択すれば、受け取れます。

ただし、一部の食べ放題メニューや生ものは持ち帰れません。

また、食品ロスを減らすために、メニュー提供も工夫しています。それぞれが適量を食べられるように、ご飯の量の選択、定食のおかずだけの注文をできるようにしました。

コメダ珈琲

写真の逆詐欺で話題になるほどボリューム満点のメニューが人気なコメダ珈琲。残った料理を自己責任でお持ち帰りできます。

店員にリクエストすれば、アルミホイルとオリジナルのビニール袋がもらえます。

公式のメニューには記載がないため、「裏メニュー」として話題になりました。

国際ホテル

横浜国際ホテルや新横浜国際ホテル、立川グランドホテルなどを運営する国際ホテルは、2009年に宴会で食べきれなかった料理を持ち帰る「ドギーバッグ」を導入しました。

これは国内のホテル業界で初めての試み。ホテル業界で先陣を切った事例といえるでしょう。

【3ステップ】個人でできること

外食での食品ロス削減は、個人でも取り込めるものです。では、どのようなアクションがあるのでしょうか。3ステップ式にまとめました。

ステップ1:食べきれる量を注文する

楽しい食事会ではついつい頼みすぎてしまうこともあるでしょう。けれど、適度な量を考えることも食事のマナーです。家族や友人と相談しながら、食べきれる量を注文しましょう。

例えば、定食のご飯を事前に少なめの量でお願いしたり、苦手な食材が入っているのかを確認したりすることも大切なアクションです。

ステップ2:残さず食べる

注文した料理は、責任をもって残さず食べましょう。

食べ残しはお金の無駄遣いになるとともに、飲食店側も処分する手間とコストがかかってしまいます。

大人数が集まる食事会や宴会などでは、「30・10(さんまるいちまる)運動」を意識することが大切です。

「30・10(さんまるいちまる)運動とは、長野県松本市で生まれた食品ロスを防ぐための運動です。

乾杯後30分はできたての料理を味わい、その後歓談を楽しみます。そして、お開き前の10分間に、もう一度料理をみんなで食べ切りましょう。

ステップ3:食べ残しの持ち帰りに協力する

ときには、食べ切れない日もあるでしょう。その場合は、残った料理のお持ち帰りにぜひトライしてみてください。

お持ち帰りができない店が多いですが、今回紹介した飲食店はお持ち帰り可能です。自己責任にはなりますが、持ち帰ってご自宅で残した料理をまた楽しんでみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、食べ残しのお持ち帰りについて紹介しました。

食中毒のリスクはありますが、注意して実施すれば、食品ロス削減につながります。事業系食品ロスを多くかかえる日本にとって、食べ残しのお持ち帰りは必要なアクションでしょう。

消費者が注文したものを責任もって食べきることは、SDGsの目標「12.つくる責任つかう責任」に貢献します。

まだあまり浸透していた日本では、事業者と消費者が協力し合って、食べ残しのお持ち帰り文化を価値づけることが必要です。

1番は食べきることが大切ですが、もし食べきれなかった場合は、自己責任で料理を持ち帰ってみてはいかがでしょうか。

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