はじめに
ジェンダーギャップ指数という単語をご存知ですか?男女の格差を測る指標の一つで、SDGs5の「男女平等を実現しよう」にも掲げられています。今回は、世界のジェンダー格差の現状から、先進国最下位である日本の現状、そしてそれを解決するためのアクション例を紹介していきます。
何気なく生活している中にも、反省すべき男女差別が隠されています。
ジェンダーギャップ指数とは
世界経済フォーラムが毎年発表している、各国における男女格差を測る指数のことです。「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野から作成されています。各国の発展度合いは評価せず、男女の格差に着目して評価している点がこの指数の特徴です。
女性の人権問題と経済発展の深く関係するランキンングであるため、毎年注目される指数の一つとなっています。2021年日本は153カ国中120位と先進国・ASEAN諸国の中でも低い結果となりました。
世界のジェンダーギャップの現実
世界でジェンダーギャップ指数が低い国の共通点として、男女の経済格差と景気による失業率の高さが挙げられます。コロナウイルスのロックダウンにより、女性の家事負担の増加や失業などが問題となっています。また、女児が学校を辞め世帯収入を上げるために働くケースもあります。
また、宗教で解釈されている男女のあり方が、現在生じている格差を解消するのが難しいという現実もあります。毎年ジェンダーギャップ指数では、イスラム教の国々が下位を占めています。その理由の一つとして、イスラム教では女性は男性よりも身分が低いとされているため、経済的自立を妨げています。
サウジアラビアでは、女性の一人での外出や運転・スポーツなど様々な活動が制限されています。現在サウジアラビアの女性たちは、スポーツできるような環境を構築するために様々なチャレンジを行っています。一例として、男女混同のスポーツクラブを設立し活動を行っている人たちがいます。
私たちには自転車に乗ることは生活の一部ですが、まだまだ禁止されている国があるという現実があります。
日本のジェンダーギャップの現実
日本のジェンダーギャップは、先進国の中でも圧倒的最下位です。特に、2021年の政治・経済の部門はそれぞれ147位・117位(前年144位・115位)ととても低い状況です。
政治部門は、国会議員の女性割合・女性閣僚の比率・女性首相の在任期間が判断基準となっています。女性議員・閣僚の割合は約10%、女性首相が誕生していないことから低い順位の要因となっています。また経済分野では、収入格差・女性管理職の割合・専門職や技術職の割合が判断基準となっているが、それぞれ他国と比べて低い水準となっています。
単身女性の32%と母子家庭約半数が貧困というデータがあり、女性の経済的貧困は社会問題の一つとなっています。景気が悪くなると、正社員から非正規雇用となったり早期退職を迫られることや、子供を預けることができないためフルタイムで働くことができないなどの問題があります。
このような問題を解決するための一つの方法として、日本政府は「女性応援ポータルサイト」を開設しています。このサイトでは、女性が社会で自立して働く環境を提案しています。
ジェンダーギャップを解消するためのアクション
ロクシタンの女性支援
フランスの化粧品会社・ロクシタンは、ハンドクリームなどで使用しているシアバターを、アフリカにあるブルキナファソで生産しています。ブルキナファソは、世界で最も経済的に貧しい国の一つです。製品の購入をすることで、女性たちの社会的・経済的な自立を支援することができます。
国際NGOへの直接募金
世界で貧困に苦しんでいる女性を支援するための国際団体「プラン・インターナショナル」への募金も、ジェンダーギャップ問題を解決するための一つの方法です。この団体は、女性や子供の人権が守られるように1937年から70カ国以上で活動しています。ガールズプロジェクトでは、「女性だから」という理由で差別や偏見を受ける少女たちを守るための活動です。1,000円から募金することができます。
終わりに
今回は、ジェンダーギャップと女性の貧困について解説しました。宗教的な背景や経済格差など、男女格差を無くすのは簡単ではありません。
しかし、現在起こっている問題を理解し、支援することでジェンダーギャップを埋めることは可能です。