食品ロス削減の救世主!フードロスビジネスとは?企業事例も紹介!

食品ロスはただのごみですが、これをビジネスチャンスとして捉える企業が増えています。それが「フードロスビジネス」です。

今後、市場が拡大すれば、社会問題も解決できるビジネスモデルとして注目を集めています。

この記事では、フードロスビジネスの意味やメリットについて解説。さらに、企業事例もまとめました。ぜひ、最後までお読みください。

フードロスビジネスとは?

フードロスビジネスとは、フードロスを商品やサービスに活用して、廃棄物を減らすビジネスモデルです。

  • 余った野菜の皮や可食部を使った商品開発
  • フードロスを回収して肥料や飼料を生産
  • フードロスを救う通販サイトやアプリ
  • 賞味期限の延長
  • 最新技術を活用した冷凍食品の開発

このように、フードロスにアイディアをかけ合わせたビジネスが次々に登場しています。

そもそも、フードロスとは、本来食べられるものが捨てられてたものを意味します。廃棄される理由は、食べ残しや売れ残り、期限切れや腐敗、買いすぎや発注しすぎなどさまざまです。

日本でも年間522万トンのフードロスが発生しています。これは、国民1人あたりが毎日お茶碗一杯分を捨てていることと同じです。

フードロスは世界的な問題で、SDGsの目標「12.つくる責任つかう責任」の中でも、フードロスの削減を目指すことが明記されています。

フードビジネスは、大量のフードロスを減らせるビジネスとして期待されているのです。

フードロスの原因「3分の1ルール」とは?

国内におけるフードロスの原因の一つに「3分の1ルール」があげられます。

「3分の1ルール」とは、店頭での販売期間を決める基準となるもの。一般的に、製造日から賞味期限までの期間をおおよそ3等分して設定される場合が多いです。

引用:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/conference/pdf/121012adjustments_1.pdf

これまでの食品業界では、「3分の1ルール」と呼ばれる納品や販売期限の設定が浸透していました。しかし、これが大量廃棄の原因の一つと指摘されているのです。

このような時代の変化を受けて、現在ではメーカーや卸、小売りなどが連携して同ルールの見直しを進めています。

ルールの見直しをしたことで、賞味期限の延長と廃棄物の削減に成功した事例も増えているのです。

フードロスビジネスのメリット

フードロスビジネスは、食品ロス削減のほかにどのようなメリットがあるのでしょうか。3つのメリットをSDGsの目標と関係づけながら紹介します。

①環境保護

フードロスの削減は、環境を守ることにつながります。焼却するごみが減ることで、二酸化炭素の排出量とエネルギー資源の使用量を抑えられるからです。

また廃棄物を原料として使用することで、新たな資源を使わずに商品を製造できるという点も環境負荷が少ないと評価できる点ではないでしょうか。

これらのメリットは、SDGsの目標「13.気候変動に具体的な対策を」へ貢献するといえます。

②持続可能な食料生産

フードロスビジネスは、持続可能な食料生産を実現できるというメリットがあります。

世界でみると9人に1人が飢餓状態であるといわれています。そして、2050年までには世界人口が97億人に達し、さらに飢餓人口が増加すると懸念されているのです。

つまり、人口増加が進んでも、安定した食料を供給できる状況を作ることが求められています。そのために、食料をごみ箱ではなく、人へ届けられるような仕組みづくりが欠かせません。

  • 野菜や果物の皮や可食部を加工品との原料として活用する
  • 廃棄物から家畜の飼料を作る
  • 賞味期限や消費期限を延長する
  • 冷凍技術を活用して、腐敗する食品を減らす

このようなフードロスビジネスは、持続可能な食料生産を支えるロールモデルです。SDGsの目標「2.飢餓をゼロに」に貢献しているともいえるでしょう。

③新たな市場の拡大

フードビジネスは、新たな市場の拡大が期待できます。

みずほ銀行の調査によると、フードロスで多額の損失が出ていると指摘されています。外食産業で発生する2016年度の食品ロスは133万トンで、その金額は2016年推計で2,986億円に達するそうです。

また、生鮮品のフードロスについてもスーパーで2018年に発生した分だけで同2,056億円に及んでいるという見解を打ち出しました。

また、フードロスの通販サイトを運営するクラダシは、国内の「フードロス市場」は、9000億円に上るという試算を発表しました。

現段階では問題視されているフードロスは、経済成長を支えるチャンスになるともいえるでしょう。フードロスビジネスはSDGsの目標「8.働きがいも経済成長も」に貢献につながります。

フードロスビジネスに取り組む企業事例4選

続いては、フードビジネスの具体例をみていきましょう。以下に4つの企業事例をまとめました。

①オイシックス「フードロス削減アクション」

オイシックスでは、フードロスを活用した商品やサービスを展開しています。

  • ブロッコリーやキャベツの外葉も具に入れたキーマカレー
  • 牛タンを加工する過程で生まれたそぼろ入りのビビンバ
  • なすの香りが楽しいなすのヘタチップス
  • 梅酒梅を使った爽やかな甘さの梅酒ドライフルーツ

など食材をアップリサイクルした商品が人気を集めていました。

オイシックス公式サイト

②TABETE「フードシェアリングアプリ」

フードシェアリングアプリのTABETEが、つくり手の想いを、最後の1食まで食べ手に届けることで飲食店のフードロス削減に貢献しています。

使い方は以下の通りです。

  1. アプリをダウンロード
  2. お店を検索(近くで助けを求めているお店を検索できます)
  3. 食べたい食事を見つけたら、クレジットカードで決済
  4. 指定された時間になったらお店に行く
  5. アプリ画面を見せて商品を受け取る
  6. レスキュー完了

たのしく、おいしく、簡単にフードロス削減に協力できるのが魅力です。これまでの功績が讃えられ、「グッドデザイン賞」や「環境省グッドライフアワード」など、さまざまな賞を受賞しています。

TABETE公式サイト

③SUPULI「野菜の切れ端などを使用したスープ」

SUPULIは、国産野菜の芯や皮、切れ端などを使用したスープを販売しています。農薬を使わずに栽培された野菜を使用しているので安心安全。環境だけではなく、身体にもやさしい商品です。

レンジで温めるだけなので、とてもお手軽なのも人気の秘密。これまで捨てられてきた可食部を活用したSUPULIは、フードロス削減に貢献しています。

SUPULI公式サイト

④日本フードエコロジー「フードロスから養豚飼料を」

日本フードエコロジーは、食品スーパーや百貨店などから回収した食料廃棄物を使って養豚飼料を製造している企業です。

  • つくりすぎてしまったもの
  • 売れ残ってしまった野菜、果物、牛乳
  • 処分する予定のパンくずや米飯

などを回収し、殺菌・発酵させて、液体状の養豚用の飼料(リキッドフィード)を製造しています。

このような循環型社会の構築は政府から高く評価されました。また、フードロスを原料としているので安定して飼料を生産できることから、持続可能な食料生産の実現も期待されています。

私たちにできること

では、最後に私たちにできることを紹介します。

ステップ1:商品やサービスを利用する

まずは、今回紹介したような商品やサービスを利用してみましょう。

購入して食べるだけでSDGsに貢献できるので、おすすめです。

ステップ2:残さず食べる

次は、残さず食べましょう。いくらフードロスを活用した食品でも残してしまったら意味がありません。

フードロス削減に協力することや生産者への感謝の気持ちを意識しながら、残さず食べることを心がけましょう。

ステップ3:シェアする

最後は、自分が体験したことや経験したことを家族や友人にシェアしましょう。

フードロスビジネスはまだあまり知られていない場合が多いです。少しでも社会貢献の輪が広がるように、気軽に話してみてください。

まとめ

フードロスビジネスとは、フードロスを減らすビジネスモデルです。

ごみでしかないフードロスを独自の技術やアイディアをかけ合わせることで、価値ある商品やサービスに生まれ変わっていました。

消費者にとっても手軽に社会貢献できるツールともいえます。SDGsの目標達成に向けてこれからのフードロス市場は拡大していくのではないでしょうか。

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