最近、子どもが「えだまめ&スイートコーン」をけわしい顔で食べているマクドナルドのCMを見た方も多いのではないでしょうか。
実は、これもマクドナルドが取り組むSDGsの一つ。
とはいうのものの、「どうしてマクドナルドがSDGsに取り組むのか?」「他にどんな事例があるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
この記事では、マクドナルドが取り組むSDGsを分かりやすく徹底解説します。私たちができるアクションも紹介しています。
最後まで読めば、マクドナルドのイメージが大きく変わるかもしれません。
マクドナルドが取り組むSDGsとは
マクドナルドが取り組むSDGsとはどのようなものなのでしょうか。実は、掲げられた17の目標のうち、6つの目標をメインに取り組んでいます。
目標2「飢餓をゼロに」
マクドナルドは、環境負荷をできる限りへらしながら、原材料における生産性の向上をサポートしています。すべての人が安心・安全な食材を確保するためには、持続可能な生産が求められるからです。
環境を守りながら生産性をあげることは、企業が持続可能な成長をする上で、必要なのではないでしょうか。消費者にとっても、安全でおいしいものが食べられるのはうれしいですよね。
目標8「働きがいも経済成長も」
現在、日本のマクドナルドにおいては約19万人のクルーが働いています。ジェンダーや障害の有無関係なしに、仕事を通じて成長の機会を提供しています。
雇用機会の確保やスキルアップの機会を分け隔てなく提供することは、日本の経済成長のために必要な要素です。だれもが働きがいを感じる社会、それぞれの個性と能力が生かされる社会が持続可能な経済成長につながるのではないでしょうか。
目標12「つくる責任つかう責任」
マクドナルドの目標は、おいしいものを消費者に届けることにとどまりません。原材料調達から店舗運営まで、環境にやさしい生産を目指しています。
- 食料や包装などの原材料調達は持続可能なものか
- 3R(リデュース、リユース、リサイクル)に積極的に実施できないか
これらを念頭に置きながら、つくる責任を果たすために尽力しているのです。
目標13「気候変動に具体的な対策を」
マクドナルドは「気候変動は今後重大な影響を及ぼす大きな地球環境問題」ということをしっかりと受け止め、未来のためにできることをしていました。
- 再生可能エネルギーの開発
- 国産木材を使用した店舗
- 環境に配慮した素材選び
世界100カ国以上で親しまれている強みを生かせば、大きな成果も期待できるのではないでしょうか。
目標15「陸の豊かさを守ろう」
マクドナルドは、政府や社会、生産者や企業、NGOやNPO、そして専門家と協力しながら、陸の豊かさを守る活動をしています。
世界中の森林が森林破壊の脅威にさらされているのは知っている方も多いのではないでしょうか。森林破壊は世界の温室効果ガス(GHG)排出量の増加につながりますよね。
緑を守りながらおいしい食を届けることは、これまで以上に、企業に求められるのではないでしょうか。
目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
「おいしさと笑顔を地域の皆さまに」というマクドナルドの存在意義をSDGsの軸にしています。自社ですべて解決しようとするのではなく、パートナーと協力し合いながら、社会的課題、環境問題の解決を目指しています。
- マクドナルドの従業員
- フランチャイジー
- サプライヤー
- 投資家
- 行政
- NGO・NPO
- 専門家の知見
- 地域のコミュニティーの皆さま
幅広い方との対話を通じ、パートナーシップを構築し続けることを大切にしているのがすてきですよね。
どうして、SDGsに取り組むのか?
とはいうものの、「マクドナルドがどうしてSDGsに取り組むのだろう」と疑問に思った方もいるかもしれません。
マクドナルドは、SDGsが自分たちにとってすごく重要な目標であると考えているからです。持続可能な社会の実現は、顧客、従業員、生産者など、企業経営を支えるすべての人の未来を守ることにつながります。だからこそ、その目標を達成する責任があると考えているのです。
世界的な社会課題を自分ごととして捉え、地域社会の一員として立ち向かうことを決めたから、SDGsに取り組んでいるといえるのではないでしょうか。
ただ想いを語るだけではなく、有言実行しているのはマクドナルドが評価されるポイント。「安心でおいしいお食事を」「地球環境のために」「地域の仲間にサポートを」「働きがいをすべての人に」という4つの柱を決めて、さまざまなプロジェクトを実施しています。
では、どのような事例があるのでしょうか。続いては、4つの柱ごとに、取り組みの内容をくわしくみていきましょう。
安全性を目指した事例
安心でおいしい食事を届けることは、飲食業界では欠かせません。おいしさや品質、衛生管理の徹底をするとともに、持続可能な食材調達を目指した事例からみていきましょう。
①持続可能な調達
環境保全に努めながら、おいしい食事を届けるために、持続可能な調達を実施しています。主なアクションは以下のとおりです。
- FSC認証(森林保全)
森林を守るために、森林に配慮して作られた資材を使った紙製品を導入しています。 - MSC認証(水産資源保全)
海の生き物を守るために、持続可能な漁業のもとで獲られた魚をフィレオフィッシュに使用しています。 - レインフォレスト・アライアンス認証(持続可能な農業)
マクドナルドで使用されるコーヒー豆は、森林や生態系を守り、労働者に適切な労働条件を提供している農園で栽培されたものです。 - PSPO認証(持続可能なパーム油の調達)
パーム油は、世界で多く生産・消費されている植物油です。しかし、大量消費によって、熱帯雨林の消失や生態系の乱れが発生しています。
店頭で使用されるフライオイルは、熱帯雨林や生物多様性、人々へ悪影響を及ぼさないことを保証されたパーム油を使用しています。
②情報開示
安心しておいしく食べてもらうために、商品の情報開示に努めています。
- アレルギー情報
- 栄養情報
- 原産国情報
を、公式サイトや公式アプリで見られます。また、メニュー選びに役立つ「栄養バランスチェック」「アレルギー検索」というツールもあります。
消費者のニーズに合わせた情報開示はとても重要といえます。
環境保護を目指した事例
地域社会だけではなく、将来の環境ために、省エネやリサイクル、食品ロス問題などに取り組んでいます。
①おもちゃリサイクル
2018年より遊ばなくなったハッピーセットのリサイクルを開始しました。全国の店舗で回収し、トレイなどにリサイクルする取り組みを実施しています。
子どもと一緒に参加できるため、とても好評だそうです。
②パッケージの改善
生産過程の環境負荷をへらすために、商品パッケージを再生可能な素材、リサイクル素材などに変更しています。
2022年2月より、横浜エリア30店舗で紙製ストローや木製カトラリーを導入しました。
消費者も買うだけで、一緒にSDGsに貢献できるのは、嬉しいメリットなのではないでしょうか。
地域の仲間にサポートを目指した事例
子どもたちの学びや、人とのつながりづくりなど、地域に暮らす人がよりよい生活をおくれるような支援をしています。地域に根付いたマクドナルドだからこそ、できることでもあるのではないでしょうか。
①ハッピーセットのリニューアル
ハッピーセットの「えだまめ&スイートコーン」を食べる子どものCMを見た方も多いのではないでしょうか。実は、これもsdgsの取り組みの一つです。
栄養バランスを配慮したサイドメニューを増やしました。
- ヨーグルト
- サラダ
- えだまめ&スイートコーン
など、子どもの成長や食事の機会に合わせて、自由に選択できるようリニューアルしたそうです。
②ドナルド・マクドナルド・ハウス支援
マクドナルドは、みんなで助け合う社会を目指したチャリティ活動に努めています。その一つが、「ドナルド・マクドナルド・ハウス」。病気の子どもとその家族を笑顔にする活動です。
自宅から遠く離れた病院に入院する子どもと家族が「第二の我が家」と感じられるような滞在施設を建てています。2021年12月時点で全国11ヶ所となり、病気と戦う家族を支えています。
このハウスの建設・運営に必要な費用への寄付も実施しているそうです。応援したいと思った方は、店頭の募金箱に寄付してみてはいかがでしょうか。
働きがいをすべての人に目指した事例
マクドナルドは、働く人の多様性を尊重しています。性別や年齢など関係なく、それぞれの強みを最⼤限に発揮し、自分らしく働ける職場の実現を推進しています。
①ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
「企業の成長を支えるのは人だから」と考えるマクドナルドは、多様性を積極的に多様性を積極的に受け入れることを基本としています。
- 若い世代の育成や就労支援
- 女性が活躍できるようなサポート体制
- 障がい者の雇用
など、それぞれのライフステージにあったサポートを実施していました。
②ハンバーガー大学
ハンバーガー大学とは、マクドナルドの教育機関。働くすべての人が、学んで成長できる場です。
一人ひとりの雇用を確保するだけではなく、成長できる教育機会も与えられているといえます。ここでの学びは、個々のキャリア形成にも支えになるのではないでしょうか。
私たちにできること
では、私たちにできることは、どのようなことなのでしょうか。今回は、3つのアクションを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
①活動を知る
まずは、身近にある企業の活動を知ることからはじめましょう。今回のマクドナルドの事例を知ると、お店に行きたいと思った方もいるかもしれません。または、イメージが変わった方もいるのではないでしょうか。
何かの行動をはじめるためには、まずは情報を知ることが大切です。
②共感した活動を応援する
消費者も気軽に参加できる活動もありました。自分が共感した活動があれば、ぜひ参加してみましょう。何か行動することで、また新たな発見があるかもしれません。
③すてきな取り組みを参考する
企業のすてきな取り組みを個人や企業の活動の参考にすることも大切です。
今回紹介したマクドナルドの取り組みをヒントにできると感じた方も多いのではないでしょうか。
SDGsはみんなで達成する目標です。いい事例からヒントを得ながら、自分にできることを模索してみてください。
まとめ
今回は、マクドナルドが取り組む事例を紹介しました。自社の強みを生かした事例が多かったですよね。
「おもちゃのリサイクル」「募金活動」など、消費者も参加できる活動を取り入れることは、企業にとっても経済成長にもメリットが大きいといえます。
紹介した事例をヒントにしながら、「自分にできることは何か」「企業として取り組めることはないか」ともう一度向き合ってみてはいかがでしょうか