家でもできるSDGs の取り組み!ゴミではなく循環を目指そう

家庭から出るごみ問題は、大きな環境問題の1つです。各家庭からの生ごみ処理にかかるコストは自治体の重い負担になっているだけではなく、燃やすことで二酸化炭素が発生し、環境に負担もかけています。

この記事では、身近にできるSDGsの取り組みをご紹介します。家庭での生ごみを見直し、家計や環境にも優しい取り組みです。ぜひ参考にしてください。

食べられるのに捨てられる食品ロス

食品ロスとは本来食べられるものが捨てられてしまう食品のこと。食べ物を捨てることは「もったいない」ということはもちろん、環境にも悪い影響を与えています。

食品ロスの現状

日本の食品廃棄物などは年間2,531万t。その中で本来食べられたのに捨てられた食品「食品ロス」は年間600万tもあります。日本人1人当たりの食品ロスの量は1年で約47kg。つまり、毎日ごはん1杯分を捨てているのと同じことなのです。

食品ロスには、大きく家庭系食品ロスと事業系食品ロスがあります。年間600万tの食品ロスのうち46%が家庭での食品ロスなのです。

カテゴリー食品ロスの量比率
家庭系食品ロス276万t46%
事業系食品ロス食品製造業126万t21%
食品卸売業16万t3%
食品小売業66万t11%
外食産業116万t19%

参照元:農林水産省|食品ロスとは 参照

生ごみがもたらす影響とは

生ごみは可燃ごみとして焼却され、二酸化炭素を排出します。排出される二酸化炭素は地球温暖化の原因です。

また約8割が水分でできている生ごみは焼却しにくく、エネルギーを余分に使うのです。焼却する廃棄物の中に水分が多く含まれていれば、水分の蒸発に熱が使われ、それだけで廃棄物の燃焼効率が低下します。とくに廃棄物を焼却するときに発生する熱を活用している廃棄物焼却施設は、熱の利用効率も低下してしまうのです。

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ごみではなく資源に変えるコンポスト

家庭での食品ロスを減らさないために、衝動的なまとめ買いや食べきり食品で献立を考えるのはもちろんですが、出てしまった生ごみを循環させることも大切です。生ごみを軽減させるだけではなく、資源にしたりリサイクルする取り組みをご紹介します。

コンポストとは

コンポスト (composut) とは堆肥(たいひ) のことで、堆肥を作る容器はコンポスター(composter) と言います。家庭からでる生ごみや落ち葉、下水汚泥などの有機物を、微生物の働きを活用して発酵・分解させ、堆肥を作るのです。堆肥は植物に栄養をあたえる肥料になると同時に、土を肥沃にし、土壌の性質を良くする土壌改良材として使われることもあります。

環境問題をきっかけに各市町村でコンポスト事業が始まり、循環型社会への取り組みとして注目されています。

コンポストのメリット

コンポストで堆肥を作ると、生ごみの排出量を減らせると同時に、家庭菜園への活用もできます。栄養豊富な堆肥で作る野菜を収穫し、健康的な生活や環境保護することにもつながります。

生ごみを捨てたり、有料の袋を買う手間がなくなる

ごみの収集日まで家の中に生ごみをおいておくと、室内に悪臭が広がることもあります。自治体によっては生ごみの処理方法が決められ、分別のために生ごみ用の袋も用紙しなければなりません。その分、コンポストに生ごみを入れてしまえば、ごみを捨てる手間も省け、袋の準備も不要になります。

栄養豊富な堆肥を自分でつくり家庭菜園に活用できる

自宅で出た生ごみを活用するため、栄養豊富で化学物質が不使用の安全な土壌で家庭菜園を楽しめます。化学肥料による体の影響を心配する方にとっても、安心して食べられる作物が家庭で作れます。肥料の節約にもなるのです。

環境などに関心をもつきっかけになり、エコ活動として気軽に参加できる

焼却する生ごみが減らせることで、二酸化炭素の排出量削減に貢献ができます。子供と家庭菜園を楽しむ方であれば、子供が環境問題に興味をもつきっかけになるかもしれません。

コンポスタ―の種類と特徴

コンポスターの種類をご紹介します。

土中式コンポスター

大量のごみや落ち葉などを処理しやすく、農家などにも使われているタイプ。土の中の微生物の力で生ごみを分解するため、頻繁にかき混ぜる必要がありません。コンポスターの中がいっぱいになったら、約2~3ヶ月熟成させます。

密閉式コンポスト

生ごみをとぼかし(米ぬかや発酵促進剤など)を密閉し、発酵させて堆肥を作るタイプ。生ごみは分解されないため、1~2週間容器で発酵させ、分解は土に投入して1ヶ月程度かけておこないます。かき混ぜの必要がありませんが、定期的に発酵液を取り出す必要があります。

回転式コンポスト

容器ごと回転させられ、効率よく酸素を加えられるタイプ。自分の手でかき混ぜるよりも、まんべんなく酸素が行き届きます。

ダンボールコンポスト

安価で作り方簡単なタイプ。段ボールに資材(ピートモス、もみ殻くん炭)、生ごみを入れ、微生物の力で生ごみを分解します。コストの低さが魅力ですが、耐久性の低さがデメリット。段ボールは2~6か月ごとに交換が必要です。

LFCコンポスト(バッグ型)

専用バッグに基材を入れ、家庭の生ごみを入れかよくかき混ぜるタイプ。ファスナー使用で虫が入りにくく、コンパクトなのが魅力。堆肥ができたら、バッグごと家庭菜園の鉢になるタイプもあります。

バイオ式電動生ごみ処理機

生ごみと一緒に微生物資材を入れ、自動で堆肥化してくれるタイプ。お手入れやかき混ぜ、臭いなどが気になる方にはおすすめです。ただし電気代や運転音がする点に注意しましょう。

ミミズコンポスター

ミミズが生ごみを食べ、細かく分解してくれるタイプ。ミミズがの体内を通ることで微生物が増え、より良質な堆肥になります。ミミズが動くので、手でかき回す必要もありません。ミミズは好き嫌いがあり、柑橘系などは入れられませんので注意しましょう。

身近なところから食品ロスに取り組もう

食品ロスに取り組もうといっても、今の生活をガラッと変える必要はありません。まずは、無駄なものは買わないことからスタートしてみましょう。そして出てしまった生ごみは、資材として活用するだけで十分なのです。

自作した土壌は化学肥料もなく、口に入れても安心の野菜が作れて、結果健康的な食生活にもつながります。有料袋も必要なく経済的でもあります。家庭にとってプラスになることが、結果環境を守ることにつながるのです。

この記事を読んで、生ごみを処理するときに少しでも環境問題が頭を過ることがあれば幸いです。ぜひ、身近なことからはじめてみませんか?

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