この記事では、今話題になっている「トレーサビリティ」についてご紹介します。
トレーサビリティは、少しでも地球を守りたいと考えているあなたにぴったりの考え方です。
トレーサビリティとは
トレーサビリティとは、いうなればその商品の「経歴書を見ること」。その商品が私たちの所に届くまでに、どんな流通経路を経てきたのかを知ることが出来ます。
新しい造語なのであまりピンと来ない方もいるかもしれませんが、その場合は言葉の成り立ちをぜひ覚えて頂くといいと思います。
トレーサビリティ(Traceability)は、「トレース(Trace)追跡」と「アビリティー(Ability)能力」の2つの言語を組み合わせた言葉です。
この商品の原産地や原料から、どの国の工場で造られたのかなど「商品のあしあと」を追跡することで、その商品の安全性を保証する効力を持ちます。
トレーサビリティが公開されている方が、企業からしても消費者からしても安心な取引ができることに繋がります。
トレーサビリティとSDGs
トレーサビリティはNo.12の「つくる責任つかう責任」という目標に当てはまるでしょう。
この目標では「生活や環境を守るために、日々の行動に責任感を持つ必要がある」という意味が含まれます。
昨今、限られた資源(物的資源・人材資源)でいかに高品質なものを作っていくかが世界中の企業に求められています。
そしてそれを実現するためには企業側だけでなく消費者である私たちの努力も必要です。
その上でトレーサビリティは、一人一人が責任を伴う選択をしていくにあたってとても有効な基準となります!
トレーサビリティの例
セブンイレブン 顔が見える野菜
まずはとても身近である、コンビニエンスストアから取り上げたいと思います。
セブンイレブンはトレーサビリティを実現しています。
「顔が見える野菜」シリーズでは生産者の方の情報を把握することができます。
QRを読み込むとその作物を担当した生産者の方が誰だか分かるようになっていて、まさに「顔が見える商品」ですよね。
生産者の方の笑顔を思い浮かべたら、いつも以上に恵みに感謝して作物を頂けるのではないでしょうか。
スペシャルティコーヒー
目覚めの1杯や仕事でもうひと踏ん張りしたい時の相棒、コーヒー。
しかし最近コーヒーにも環境に配慮された商品が注目を集めていることをご存知ですか?
コーヒーの中でも特に品質の高いものは「スペシャルティコーヒー」と呼ばれています。このコーヒーにするためには、明確な流通経路を公開するという条件があるのです。
有名なスペシャルティコーヒーだと、「トアルコトラジャ」があります。ぜひ人にも地球にも最高品質なコーヒーをお試しください。
花の「MPS」
皆さんがお花を飾りたい・贈りたいと思う時に、ぜひ知って欲しい情報をご紹介します。
それは「MPS」マークです。
「MPS」というマークが付いたお花は、トレーサビリティを知ることが可能です。お花選びの際は、ぜひ地球に配慮している生産者を応援するためにもMPSマークのお花を買うことをおすすめします。
ファッションブランドのトレーサビリティ
ファッション業界では最近、サステナブルな服やアイテムが注目を集めています。
近年、とりわけファストファッションの生産における裏側が指摘されているからです。
ファストファッション業界の大きな事件は、2013年に起きたバングラデシュのラナプラザ工場崩落事故です。商品を製造していた工場が、突如崩壊したことにより沢山の死者や負傷者を引き起こしました。
非常に痛ましい事件であったことから、ファッション業界における労働環境の劣悪さは問題視されるようになりました。
もちろん、そのような状況につくり手としての問題意識を抱くファッション企業も少なくありません。これからは地球にやさしいトレーサビリティを行うファッション企業を紹介します。
まず紹介するのは、「people tree」。
人気No.1はこちらの可愛らしいニット。実はネパールの支援団体が作った逸品ものです。とてもお洒落で着やすいデザインですよね。
この企業ではトレーサビリティだけでなくフェアトレードなど様々な地球にやさしい取組をしているので、ぜひチェックして欲しいブランドです。
次に紹介するのは「エコアルフ」。
サステナブルな商品だけしかこのブランドでは扱っていないので安心して地球にやさしいお買い物が出来ます。
エコアルフの素晴らしい取組として挙げられるのは、徹底したトレーサビリティへの配慮です。
エコアルフでは動物性の革の使用を一切廃止しています。その理由は加工される動物の出自を明確に保証出来ないからであり、革の魅力を出したい場合は人工レザーで代用しています。
本当にサステナブルを考えているからこその決断ですね。
おわりに
今回はトレーサビリティの定義と、沢山の実現例をご紹介しました。
商品を選ぶ際、より地球にやさしい選択をしたいと思ったらぜひトレーサビリティの考えを思い出してくださいね。