環境にやさしく使い勝手が良い黄麻(ジュート)が地球環境を守る

今や生活雑貨やアパレルショップで人気となっている、ジュート素材の製品。
ジュートといわれてピンとくる人は、まずコーヒー豆を入れる麻袋を思い浮かべるのではないでしょうか。
ここでいうジュートとは黄麻のことで、この黄麻は現在麻袋として使用されるだけではなくさまざまな製品に使用されています。
また、黄麻は黄麻という植物の特性から地球環境を守る働きをするために、エコを意識する人たちの中でも人気が高まっています。

ここでは、黄麻がどのように環境を守るのか、またどのような製品として利用されるのかについて解説していきます。

黄麻(ジュート)とは

麻にはいくつかの種類があり、その中のひとつが黄麻となります。
そしてこの黄麻から作られる繊維のことを、ジュートといいます。

黄麻は田麻(シナノキ)科に属していて、国や原産国により呼び方が異なりますが、バングラデシュ産のものはジュート、インド産のものはインド麻、中国では黄麻(こうま)と呼ばれます。
ここでは、すべてを総称して黄麻と呼ぶことにします。

バングラデシュでは特に黄麻産業が盛んで、生産量と輸出量はともに世界トップクラスとなっています。
黄麻は種を撒いてからわずか3か月から4か月で長いものになると3mにも成長し、花が咲きます。

この花が落ちるころが、最も繊維の質が良い時期となります。
収穫された黄麻は茎を水に浸して発酵させ、柔らかくなったら手作業で茎の革の部分を剥がしていき、剥がした皮を水洗いした後乾燥させて繊維状になります。

黄麻が成長する際には、他の樹木と比較すると5倍から6倍もの二酸化炭素を吸収します。
また、燃やしても有害物質が出ることがなく、土の中に埋めてもバクテリアにより分解されて自然に還ります。

黄麻が貢献するSDGsの目標とは

黄麻は、その独特の性質でSDGsの目標達成に貢献します。
ここでは、黄麻がどのような目標の達成に貢献するのかを解説していきます。

目標13気候変動に具体的な対策を

黄麻は成長する際に、非常に旺盛に光合成をおこなうため、必要とする二酸化炭素も他の植物と比較すると膨大な量になります。
このような特徴から、二酸化炭素削減が求められている現代社会においては非常に有用な植物であると言えます。
そのため、SDGsの気候変動に具体的な対策をという13番目の目標の達成に貢献することができます。

目標15陸の豊かさも守ろう

ジュートは焼却処分しても有害物質を排出せず、また埋め立て処分を行うことで二酸化炭素を排出することなくバクテリアにより分解されて自然に還ります。
このような特徴から陸地の環境に負担をかけることなく生産・使用・廃棄を行うことができるため、黄麻を使用することによりSDGsの陸の豊かさを守ろうという目標の達成に貢献することが出来ます。

黄麻を利用した製品を使用することによって得られるメリット

黄麻を使用することで、さまざまなメリットを得ることができます。
ここでは、そのメリットについて解説していきます。

耐久性が高い

黄麻の繊維には、伸縮性がほとんどありません。
しかし、その分耐久性に優れているという特徴があります。
このような特徴を使用して、コーヒー豆などを重いものを入れる袋に利用されたり、土嚢に利用されたりします。

保温性が高い

黄麻は、保温性に優れた繊維です。
保温性が高いうえに毛羽があるので、保湿性が高く黄麻を裏地に利用したラグなどのインテリアは冬でも快適に使用することができます。

通気性が高い

黄麻には、通気性が良いという特徴もあります。
汗ばんだ肌に密着することはなく、汗の吸収や発散は早く行われます。
そのため、暑い夏のバッグなどの小物類やアクセントラグなどには最適な素材であると言えます。

黄麻を利用した製品を使用することのデメリット

ここまで黄麻を利用することのメリットを解説してきましたが、黄麻にはデメリットもあります。
ここでは、黄麻のデメリットについて解説していきます。

独特のにおいがある

黄麻は麻の一種なので、麻独自の草や大地のような独特のにおいがあります。
どのような製品に加工するかによってにおいに差が出てきますが、黄麻で作られた製品のにおいが気になる場合には、陰干しをすることでにおいを劇的に軽減させることができます。

手触りが荒い

黄麻は植物から作り出した素材ならではの毛羽だった風合いが特徴ですが、この風合いには麻独自のチクチクとした手触りがあるため、衣類に使用するには向いていません。

黄麻を利用した製品例

黄麻を利用した製品には、以下のようなものがあります。

エコバッグ

黄麻は環境にやさしく、丈夫で通気性に優れていることから、エコバッグに向いている素材です。

近年では、アパレルブランドなどがノベルティとしてブランドのロゴ入りの黄麻バックを製作することも珍しくありません。

化学繊維で作られたエコバッグは繰り返し使うことができるとはいえ、必ずしも環境にやさしいとは言えない側面もあります。
エコバック自体も環境にやさしいものを利用したい場合には、黄麻で作られたエコバックやアパレルブランドのノベルティ黄麻バックの使用をおすすめします。

カーペット

黄麻の特徴は丈夫で通気性に富んでいるということだけではなく、吸水性にも富んでいるため、飲み物などをこぼすことも考えられるカーペットの裏地にも使用されています。
カーペットの裏地に黄麻を使用することで、水分をこぼしても素早く吸収し蒸発させることができるようになります。

畳める収納ボックス

黄麻のバックの中でも特に強度が強いものは、畳むことができる収納ボックスとして使用することもできます。

クローゼット内の小物の収納やリビングで散らかりがちな雑誌や新聞、キッチンの野菜の収納袋として使用でき、使わないときは薄く小さく折りたたんでバッグ自体を収納しておくことができ、非常に便利です。

さまざまな用途の糸・紐

黄麻は、その丈夫さからさまざまな用途の紐に使用されます。
その種類は荷造り用の紐、電線、畳表糸、結束紐、カーペット用糸などです。

また、毛羽があり燃えやすいことから火薬の抱合性に優れているため、昔から導火線としても使用されています。

まとめ

いかがでしたか?
ここまで、黄麻とはどのようなものかといったことやその特徴、利用方法などについて解説してきました。

黄麻は非常に環境にやさしい素材であるだけではなく、人々の生活をオーガニックに彩ってくれる魅力的な素材であることがお分かりいただけたと思います。

すでにアパレル業界では、この黄麻に非常に強い注目が集まっており、さまざまなメーカーやブランドから黄麻の製品が販売されています。
また、黄麻という植物が自然環境に与える悪影響はなく、逆に他の植物と比べて多くの二酸化炭素を吸収したり、処分する際に燃やしても埋め立てたりしても有毒物質を排出することがない、とても地球にやさしい植物であることも解説してきました。

今後このような地球環境にやさしい黄麻の製品の使用が増えることで、SDGsの目標である「気候変動に具体的な対策を」と「陸の豊かさも守ろう」の、二つの目標の達成に貢献することができるでしょう。

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