お米で行う象印のSDGsの取り組みとは

象印といえば魔法瓶や炊飯器を製造しているメーカーとして有名ですが、このメーカーはどのようにしてSDGsへの取り組みを行っているのでしょうか?

炊飯器の製造時には炊飯のテストが欠かせませんが、このテストで炊かれたお米を使って、想像もしなかった他の製品を作ることでSDGsに貢献しています。

では、他の製品とはどのようなものなのでしょうか。

ここでは、象印が行っているSDGsの取り組みについて解説していきます。

象印のSDGsへの取り組み

ここでは、象印のSDGsへの取り組みについて解説しています

おにぎりアクションへの協賛

おにぎりアクションとは、日本の代表的な食である「おにぎり」をシンボルに、「おにぎり」の写真をInstagramやX(旧Twitter)、FacebookなどのSNS、または特設サイトに投稿すると、1枚の写真の投稿につき給食5食分に相当する寄付(100円)を象印などの協賛企業が提供し、認定NPO法人TABLE FOR Internationalを通じてアジアやアフリカの子どもたちに給食をプレゼントする取り組みです。

開発途上国の飢餓と、先進国の肥満や生活習慣病の解消に同時に取り組むTABLE FOR TWOが主催し、毎年10月16日の「世界食料デー」を記念して実施されます。

このおにぎりアクションは2015年に開始され、多くの方の共感と応援に支えられて2022年までに8回実施され、累計約150万枚の写真が投稿され約836万食の給食を世界の子どもたちに届けてきました。

象印はこのような企画に協賛することで、SDGsに貢献しています。

炊飯試験時のごはんを使ってビールを醸造

炊飯器を開発する際には、試験炊飯は欠かすことができないプロセスです。

この「ハレと穂」は、「一滴への想い、一粒への想い」コンセプトに、ごはんを最後まで大切にしたいという象印の想いから生まれたサステナブルなビールです。

この試験炊飯で炊いた象印のごはんを、クラフトビール「ハレと穂」の醸造元である伊勢角屋麦酒が新作ビールの原料に採用しました。

この試験炊飯でできたごはんと、人気品種である「Mosaic」のホップをふんだんに使用してクラフトビールが作られます。

出来上がったビールはライトゴールドカラーの少し濁りがある外観で、ホップの鮮やかなアロマ・フレーバーを楽しむことができます。

ごはんは大麦と比べるとたんぱく質や脂質が少ないため、すっきりとした後味に仕上がっています。

このクラフトビールは、大量のごはんと大量のホップを使用していることから、ホップ丼と名付けられ、このビールのラベルにはどんぶりにホップが山盛りに入っている様子が鮮やかに描かれています。

裏側のラベルには、象印の炊飯試験時に余ったごはんをアップサイクルしたビールであることが記載されています。

伊勢角屋麦酒は常に新しいビール作りに挑戦している企業で、このホップ丼も期間限定の商品です。

このように象印がビールを作ることになった背景には、シンガポール発のスタートアップ企業であるCRUST JAPAN株式会社との出会いがあり、伊勢角屋麦酒を紹介されたことがきっかけです。

象印が持続可能な循環型経済の実現を目指し、ごはんのアップサイクルを模索する中での出会いでした。

この出会いからフードロスにつながる試験炊飯で炊かれたごはんが、ビールに生まれ変わることになりました。

ごはんで作ったウエットティッシュ

「象印」と「ウエットティッシュ」、この一見何のつながりもないように見える2つを結びつけたのが、大阪・なんばのサテライトオフィスを拠点とする象印の新事業開発室です。

従来のモノ作りから視野を広げ、日常と社会に貢献するサービスやコトづくりを目指す部署です。

「象印という会社が、食と暮らしを通じて社会のためにできることは何だろう」ということについて多角的に検証し、食品ロスを減らすことが食に関する会社として重要なテーマであることに行きつきました。

象印で行われる炊飯試験は何度も行われ試食されますが、どうしても食べきることはできません。

もちろんこれまでにも食べきれなかったごはんは農業用の肥料として“リサイクル”されてきましたが、それらを新しい価値を持つものに生まれ変わらせる“アップサイクル”の方法を日々研究してきました。

アップサイクルや新事業の進め方を知らなかった社員が社外のイノベーター育成プログラムに参加し、そこで独自技術で食品からエタノールを作る事業を成功させているファーメンステーションと出会いました。

象印が炊飯ジャーの美味しさを追求するための試食にこだわりつつも、ごはんを大切にしたいという思いを持っていることに共感を得ることができ、二社の協業が始まりました。

そして象印の試験炊飯でできた余ったごはんからエタノールを精製し、そのエタノールを使用して「除菌ウエットティッシュ」を作ることに成功しました。

このウエットティッシュはオリジナルラベルで制作できるため、展示会やイベント、訪問企業のノベルティ、セミナーなどでの配布など、さまざまなシーンで活用することができます。

象印のSDGsはどの目標に該当するか?

ここまで、象印が行っているSDGsに対する取り組みについて解説してきました。

では、これらの試みはSDGsのどのような目標達成に役立つのでしょうか。

象印の取り組みが、SDGsのどの目標に該当するかを解説していきます。

おにぎりアクションへの協賛・目標2飢餓をゼロに

おにぎりアクションは、SNSへのおにぎりの画像の投稿数に応じてアジア・アフリカの開発途上国の子どもたちの5食分の給食費を支援するプロジェクトです。

アジアやアフリカでは、いまだに食糧難に苦しむ子供たちが多く、その支援のためにおにぎりアクションへの協賛は有効な手段であると言えるでしょう。

このことから、おにぎりアクションへの協賛は目標2飢餓をゼロにの目標達成に役立っています。

試験炊飯時のごはんを使ってビールを醸造・目標12つくる責任つかう責任

食品ロスは、特に先進国で大きな問題になっています。

このような食品がごみになることを防ぐためにリサイクルすることは大切ですが、余った食品に付加価値を付けて品物にする「アップサイクル」もまた食品ロスを減らすための大きな手段です。

試験炊飯時に出る大量の余ったごはんを利用して、ビールとして生まれ変わらせることで、目標12の作る責任つかう責任の目標達成に寄与することができます。

ごはんで作ったウエットティッシュ・目標12つくる責任つかう責任

ごはんで作ったウエットティッシュは、今まで肥料などとしてリサイクルされていた試験炊飯時に余ったごはんからエタノールを醸造し、ウエットティッシュに加工したものです。

このウエットティッシュは他社との協業で生まれたものですが、これにより純度が高い除菌に十分に利用できるエタノール作ることができました。

このように商品を他の商品に生まれ変わらせて有効活用することで、SDGsの目標12つくる責任つかう責任の達成に貢献しています。

まとめ

ここまで、象印のSDGsへの取り組みを紹介・解説してきました。

象印がごはんを大切にし、ごはんによって社会全体を豊かにしたいという角度からSDGsに取り組んでいることがお分かりいただけたと思います。

ごはんは、ほとんど毎日食卓にのぼる食品です。

そのごはんを残さず食べることが個人にできるSDGsへの貢献ですが、象印もまたさまざまな方法でSDGsへの貢献を行っています。

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