トップバリューの取り組み・海の豊かさを守ろう

SDGsの14番目の目標は、「海の豊かさを守ろう」です。
この「海の豊かさを守ろう」ということは、海洋資源やその魚が住む海の環境を美しく保つということです。
近年では乱獲による海洋資源の減少や、人間が出すごみや排水による海の汚染が深刻化しています。

このままでは、将来食卓に魚が上る頻度が減少する、またはなくなってしまう恐れもあります。
そのような事態を避けるために、さまざまな企業が取り組みを始めています。

ここでは、イオンのプライベートブランドである「トップバリュ」の取り組みについて解説していきます。

トップバリュとは

トップバリュとは、イオントップバリュ株式会社が開発するイオングループのプライベーとブランドのことです。

イオントップバリュ株式会社は、千葉県千葉市美浜区の幕張都心に本社を置いています。
もともとイオングループのプライベートブランドの開発事業はイオン株式会社が直営で行っていましたが、イオングループが他社の吸収・合併などにより組織が巨大化していったことを機に、プライベートブランド事業をイオントップバリュ株式会社に分離しました。

現在このイオントップバリュ株式会社により開発された商品は、イオングループの各小売店を通して卸販売を展開しています。

トップバリュが推進するサステナブルシーフードとは

最近よく耳にするサステナブル(Sustainable)という言葉は、sustain(持続する)とable(〜できる)の二つの言葉からなる造語で、「ずっと続けていける」、「持続可能な」という意味を持っています。
そしてサステナブルフードとは、社会や地球環境に配慮して生産された食品のことを言います。

現在、海洋資源は「取りすぎ」と「すでに限界まで漁獲されている」ものを合わせると、海洋資源全体の約90%以上にも上り、このままではとても海洋資源を利用し続けることが「ずっと続けていける」とはいいがたい状況になっています。
そのためトップバリュは、海の生態系を壊すほど魚を獲り過ぎない、獲る際には他の生物にも配慮する、養殖する場合には資料に使う海洋資源の量を少なくする、抗生物質などの薬品を乱用しない、水質や環境を汚染しないといった条件を守った海洋資源の推進を行っています。

このようにして獲られたり養殖されたりした海洋資源を、サステナブルシーフードといいます。

MSC CoC認証・ASC CoC認証

トップバリュは、MSC CoC認証、ASC CoC認証を取得しています。
ここでは、このMSC CoC認証とASC CoC認証について解説していきます。

MSC CoC認証とは

MSC CoC認証とは、MSC漁業認証を取得した漁業により獲られた水産物であることを保証し、流通や加工の段階で認証水産物のトレーサビリティ(追跡)の確保と、非認証水産物との混入や置き換のリスクを低く抑えることを目的とした認証です。

MSC漁礁認証は、乱獲により海洋資源の枯渇を引き起こさない、漁業を行う地域の生産性や生態系、生物の多様性を乱さない形で漁業を行う、国内や地域、国際法に則ってサステナブルな漁業の実施が可能な管理体制があることの3つの点を審査し、クリアした場合にのみ認証されます。

MSC CoC認証を取得するメリットとしては、海外の市場への販路の拡大、消費者や業界からの信頼拡大やイメージアップ、水産資源の将来にわたる安定的な供給に貢献できるといったことがあります。

ASC CoC認証とは

ASC CoC認証とは、ASC認証された養殖場から消費者の手に届くまでのプロセスをトレーサビリティー(追跡)することができ、その過程で非認証の水産物の混入や置き換えが起こるリスクを低く抑えるための認証システムです。

ASC養殖場認証は、資源や自然環境をサステナブルな状態で利用している、養殖漁場から環境に与える負荷を軽減している、地域社会や労働環境に配慮して運営されている3点を尊守している養殖漁場が取得することができます。

現在、ASC認証の対象となっている海洋資源は、サケ・マス・エビ・パンガシウス(ナマズ類)・ティラピア・二枚貝(ホタテ・アサリ・ムール貝・カキ)・アワビ・ブリ・スギ類・海藻となっています。

サステナブルシーフードを利用するメリット

サステナブルシーフードを利用することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、サステナブルシーフードを利用することのメリットについて解説していきます。

生産者側のメリット

サステナブルシーフードを生産することにより生産者にもたらされるメリットには、水産資源の枯渇の心配がないため、将来にわたって水産業を続けることができるという点にあります。
これは海の環境を守り、海の生態系を壊さないように漁獲をしたり養殖を行ったりするため、安定的な水産物の獲得が期待できるためです。

また、「サステナブル」は食品に限らず現在から将来にかけて非常に重要な価値となるため、サステナブルシーフードには付加価値が付き、他の商品との差別化を図ることができます。
生産者がサステナブルシーフードを供給するためには、MSC認証やASC認証を取得する必要があるため手間がかかってしまいますが、このようなメリットを得ることが可能になります。

消費者側のメリット

消費者がサステナブルシーフードを日常の買い物で購入することで、乱獲されたり海の生態系に配慮されない方法で獲られた海洋資源を買わずに済むようになったりします。
その結果として、魚などの海の資源を未来の子ども値にのこすことができるようになります。
またMSC認証やASC認証を取得し、海の環境や生態系を壊すことなく漁業を行っている漁業者を応援することにつながり、SDGsの14番目の目標である「海の豊かさを守ろう」を実現する助けにもなります。

特にASC認証を受けた養殖の海産物は、その生育過程で過剰な抗生物質などの薬品の使用を行わないため、安全性の高く安心して食べることができます。
現に日本の消費者のうち、約3人に1人がサステナブルシーフードを選ぶと回答しています。

海に囲まれた島国である日本は魚を食べる機会が多いため、このサステナブルシーフードを選択することで、未来の子供たちにも日本の食文化に根付いた魚を食べてもらうことができるようになります。

まとめ

ここまで、トップバリュが推進するサステナブルシーフードについて解説してきました。
サステナブルシーフードの定義や、サステナブルシーフードを生産したり消費したりすることによって得られるメリットについてお分かりいただけたと思います。

サステナブルシーフードを含むサステナブルフードを利用したSDGsの14番目の目標である「海の豊かさを守ろう」を実現するための取り組みは、トップバリュ以外の企業でも行われています。

トップバリュが開発した製品のうち、海のエコラベルと呼ばれる「MSC認証ラベル」と「ASC認証ラベル」が貼られたシーフードを購入することで、ひとりの消費者であってもSDGsの14番目の目標達成のための一歩を踏み出すことができるようになります。

豊かな海を守ることは、日本のみならず世界の食生活を守ることにもつながります。
シーフードを購入する際にはMSC認証ラベルやASC認証ラベルが貼られたサステナブルな商品を選ぶことを意識し、SDGsの「海の豊かさを守ろう」の目標を達成し豊富な海洋資源を後世に残せるよう小さな努力を積み重ねていきましょう。

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