2022年5月14日は「世界フェアトレードデー」。
実は最近、フェアトレードのチョコレートやコーヒーを買ったり、SNSに投稿したりする人が増えています。
とはいうものの、「フェアトレードとは?」「どんな商品があるの?」などと、フェアトレードを聞いたことはあるものの、よく分からない方も多いのではないでしょうか。
今回は、フェアトレードをくわしく解説するとともに、SDGsとの関係やおすすめ商品まで、たっぷりご紹介します。
フェアトレード商品を買ったことがない方も、世界フェアトレードデーに向けて、まずは知ることからはじめてみませんか?
最後まで読めば、フェアトレードの魅力を感じられるはずです。
フェアトレードとは
フェアトレード(fairtrade)は、直訳すると「公正取引」を意味します。
開発途上国で生産される原料や製品を適正な価格で継続的に購入することによって、立場の弱い開発途上国の労働者の生活改善と経済的自立を目指す「貿易のしくみ」です。
つまり、上下関係なく公平な取引が行われていて、フェアトレード商品に関わるすべての人の労働環境や人権が守られています。
フェアトレード商品は、原料が開発途上国で生産されている食料品や日用品が多いです。
- チョコレート
- コーヒー
- 紅茶
- スパイス
- ごま
- バナナ
- ワイン
- オリーブオイル
- コットン製品
- サッカーボール
- コスメやスキンケア化粧品
- バラ
フェアトレード商品といえば、コーヒーやチョコレートが広く知られていますが、実は多種多様な製品が販売されています。
2022年5月14日は世界フェアトレード・デー!
毎年5月第2土曜日は、「世界フェアトレード・デー」です。
WFTO(世界フェアトレード連盟)に加盟する国の組織や生産者を中心に、 イベントやキャンペーンが各地で開催されます。これに合わせて、日本でも5月は「フェアトレード月間」とよび、フェアトレードをアピールしています。
まだ身近ではなかった方も、フェアトレードを知ったり、商品を買ったりできる絶好の機会ではないでしょうか。
フェアトレード商品がSDGs貢献になる理由
フェアトレード商品の生産と消費は、SDGs「つくる責任つかう責任」の目標達成に大きく貢献しています。公平な取引が普及することで、開発途上国の経済的自立や生産者の生活保護につながるからです。
激安の食料品や衣料品を見たことはないでしょうか。消費者目線で考えるとラッキーですが、生産者からみるとすごくアンラッキーなことかもしれません。
弱い立場にいる開発途上国で、
・正当な対価が生産者に支払われない(劣悪な労働条件)
・子どもが学校に行けず働かされる(児童労働)
・必要以上の農薬が使用され環境破壊や健康被害をもたらす(環境破壊)
など、深刻な問題が起きている場合があります。
実は、貢献できる目標は一つではありません。それでは、SDGsの視点から深掘りしていきましょう。
目標1「貧困をなくそう」
まずは、貧困の解決につながります。
フェアトレードは、安定した収入や安全な労働環境が重視されています。継続的に適正価格で購入することで、すべての人の衣食住や健康的な生活を保証できます。
目標4「質の高い教育をみんなに」
生活が安定すれば、子どもを働かせる必要はありません。児童労働がなくなり、質の高い教育を受けられることで、将来の選択肢が広がります。
目標13「気候変動に具体的な対策を」
生産地の環境保護の役割を担っています。
不当な取引の場合は、必要以上の農薬が使用されることで、環境破壊を引き起こす場合があります。
一方、フェアトレードの場合は、限られた農薬や薬品の使用が必要条件です。持続可能な生産を重視しているため、環境に優しいといえます。
環境を守ることで、気候問題のへの解決に貢献しています。
目標8「働きがいも経済成長も」
開発途上国の経済的自立の支援も支援しています。
売上の一部や支援金を使って、インフラや教育環境を整える援助活動が行われています。開発途上国が経済的に自立することは、持続可能な社会の実現に必要不可欠です。
フェアトレードが当たり前になることで、経済的に自立した地域が増え、開発途上国がより経済的に豊かになるのでしょうか。
フェアトレード商品の問題点
フェアトレード商品は、社会、環境、経済のメリットが大きいです。しかし、3つの問題を抱えています。
①値段が高い
フェアトレード商品は、相場と比べて高くなります。
生産者の安定した所得や高品質が保証されている分、消費者負担が大きくなるからです。
つまり、ただ高額なわけではありません。「フェアトレードは高い」という事実で終わらせるのではなく、適正価格である理由を伝えることが大切といえます。
消費者も、開発途上国の現状と値段設定の理由を知れば、納得して購入できるのではないでしょうか。
②認知度が低い
2つ目は、認知度の低さがあげられます。
特に日本は諸外国と比べて、フェアトレードの認知度や購入額が低いといわれています。
2020年の国民一人当たりの購入金額を比較してみましょう。
- 日本の平均は「104円」
- 世界トップのスイスの平均は「11,267円」
スイスは、日本の約108倍のフェアトレード商品を購入していました。
日本でも認知度は高まってはいますが、さらに多くの人に知ってもらうことが必要です。フェアトレード商品を買う文化が根付いた社会を目指すべきではないでしょうか。
③身近ではない
3つ目は、フェアトレード商品が身近になく、手軽に購入できないことです。
店舗で売られているフェアトレード商品が少ないのが、大きな課題といえます。
いま以上に身近な場所で目にしたり、手軽に買えたりする市場を、政府、企業、消費者が手を取り合って、整えるべきなのではないでしょうか。
おすすめフェアトレード商品
とはいうものの、現在、日本のスーパーマーケットやコンビニで、フェアトレード商品を購入できます。
はじめて購入するときは、「国際フェアトレード認証ラベル」を目印に選びましょう。ラベルをみるだけで、フェアトレードかどうか判断できるのでおすすめです。
実際に利用したことがあるものは、体験談とともにまとめました。ぜひ、参考にしてください。
①小川珈琲のドリップコーヒー
スーパーマーケットでも気軽に購入できるのが、「小川珈琲のドリップコーヒー」です。私がよく利用するスーパーマーケットでもよく見かけます。
自宅で飲むコーヒーが、開発途上国の生活を支えていると思うと、心がさらに温まりますよね。
②スターバックスのエシカルなコーヒー
スターバックスでは、フェアトレードのコーヒーを自宅と店内で味わえます。
自宅用のコーヒー豆は、各店舗やオンラインショップでいつでも購入可能です。ただ、店内で飲みたい場合は、レギュラーメニューにはありません。だから、毎月20日にいきましょう。
実は、この日は「エシカルなコーヒーの日」。本日のコーヒーがフェアトレードになったり、生産者とのつながりを感じられるワークショップが開催されます。
内容は時期や店舗によって異なるので、ご注意ください。私が行ったときは、本日のアイスコーヒーがフェアトレードコーヒーでした。別の月に訪れたときは、本日のコーヒーではなく、飲み比べのイベントがお昼に開催されていました。
③イオンのオーガニックジャム
イオンのプライベートブランドであるトップバリュは、フェアトレードのオーガニックジャムを販売しています。「ストロベリー」「ブルーベリー」「マーマレード」の3種類です。
実際に食べてみると、甘さ控えめでおいしかったです。フルーティな味わいが強いので、ヨーグルトに入れて、ほぼ毎日食べても飽きませんでした。
近所のイオン系列のスーパーマーケットやまいばすけっと、ネットスーパーで購入できます。身体に優しいだけでなく、新鮮なフルールを栽培する農家を支援できるのは嬉しいですよね。
④セブンイレブンのハイカカオチョコレート
セブンイレブンでも、フェアトレードのハイカカオチョコレートが購入できます。
カカオの風味がしっかりしていて、一口サイズですごく食べやすかったです。砂糖よりカカオの方が多いので、糖質制限している方にもおすすめ。
癒しのおやつタイムが、カカオの生産者の応援につながります。
まとめ
フェアトレードとは、開発途上国で生産されるものを適正な価格で継続的に購入することによって、立場の弱い開発途上国の労働者の生活改善と経済的自立を目指す「貿易のしくみ」でした。
だれ一人取り残さないことも大切にしています。つまり、フェアトレード商品を買うことは、SDGsの以下の目標達成に大きく貢献しています。
- 目標1「貧困をなくそう」
- 目標4「質の高い教育をみんなに」
- 目標8「働きがいも経済成長も」
- 目標13「気候変動に具体的な対策を」
あなたのやさしい選択が、開発途上国の方の笑顔、明るい未来につながるのではないでしょうか。今回紹介したポイントを参考に、ぜひ買い物してみてください。