SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」とは?ターゲットや取り組みを徹底解説!

ここ数年で、健康意識が高まったという方も多いのではないでしょうか。

今回は、健康と密接に関係するSDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」についてご紹介。

目標やターゲットだけではく、世界や企業の取り組みについても徹底解説します。意外と知られていない内容もあるので、早速みていきましょう。

どうして「すべての人に健康と福祉を」が必要なのか?

どうして「すべての人に健康と福祉を」という目標が必要なのでしょうか?

なぜなら、世界ではみると、病気やけがをした時に治療を受けられる機会が、平等に与えられていないからです。

例えば、日本では「人口414人に対して、お医者さんが1人いる」という状況ですが、世界では「数万人に1人しかお医者さんがいない」という国が多くあります。

本来なら予防や治療ができる肺炎や下痢で、多くの子どもたちが命を失っています。

さらに女性への医療体制も深刻。妊娠・出産へのサポートが不十分だったり、医療環境が整っていないため、胎児もしくは生後まもない状態でなくなる赤ちゃんも多くいます。

このような現状を一刻でも早く解決するために「すべての人に健康と福祉を」という目標が必要なのです。

目標3「すべての人に健康と福祉を」とは?

では、「すべての人に健康と福祉を」とは、どのような目標なのでしょうか。

今回は目標とターゲットを詳しく解説していきます。ちなみにターゲットとは、目標を具体化したものです。

目標3「すべての人に健康と福祉を」

あらゆる年齢の人が健康で幸せな生活を送れるようにしようという目標です。

「栄養不足」「医師不足」など医療や福祉に関するあらゆる問題の解決を目指しています。

目標3のターゲット

では、具体的な内容を知るためにターゲットもみていきましょう。「3-1」のような数字で項目は、具体的な達成目標を示しています。また「3-a」のようにアルファベットで示されるものは、実現のための方法を表しています。

3-1
2030年までに、赤ちゃんがおなかの中にいるときや、お産のときに、命を失ってしまうお母さんを、2030年までに、産まれる赤ちゃん10万人あたり70人未満まで減らす。

3-2
すべての国で、生まれて28日以内に命を失う赤ちゃんの数を1000人あたり12人以下まで、5さいまでに命を失う子どもの数を1000人あたり25人以下まで減らし、2030年までに、赤ちゃんやおさない子どもが、予防できる原因で命を失うことがないようにする。

3-3
2030年までに、エイズ、結核、マラリアや、これまで見放されてきた熱帯病などの伝染病をなくす。また、肝炎や、汚れた水が原因で起こる病気などへの対策をすすめる。

3-4
2030年までに、予防や治療をすすめ、感染症以外の病気で人々が早く命を失う割合を3分の1減らす。心の健康への対策や福祉もすすめる。

3-5
麻薬を含む薬物やアルコールなどの乱用を防ぎ、治療をすすめる。

3-6
2020年までに、交通事故による死亡やけがを半分にまで減らす。

3-7
2030年までに、すべての人が、性や子どもを産むことに関して、保健サービスや教育を受け、情報を得られるようにする。国はこれらを国の計画のなかに入れてすすめる。

3-8
すべての人が、お金の心配をすることなく基礎的な保健サービスを受け、値段が安く、かつ質の高い薬を手に入れ、予防接種を受けられるようにする(ユニーバーサル・ヘルス・カバレッジ)。

3-9
2030年までに、有害な化学物質や、大気・水・土壌の汚染が原因で起こる死亡や病気を大きく減らす。

3-a
すべての国で、たばこを規制する条約で決められたことが実施されるよう、必要に応じて取り組みを強める。

3-b
主に開発途上国で大きな影響をおよぼす病気に対するワクチンや薬の開発を助ける。また、国際的な約束や宣言にしたがって、安い値段で薬やワクチンを開発途上国にも届けられるようにする。

3-c
開発途上国、特に、最も開発が遅れている国や島国で、保健に関わる予算と、保健サービスに関わる職員の数や能力、その人たちへの研修を大きく増やす。

3-d
すべての国、特に開発途上国において、その国や世界で健康をおびやかす危険な状態が発生したときに、それにすばやく気づいて知らせ、危険な状態を減らしたり、対応したりする力を強める。

押さえておきたいポイント!

目標とターゲットについての理解を深めるために、目標3の中で押さえておくべきポイントを確認しておきましょう。

質の向上を目指すもの

  • 妊娠や出産を安心してできる環境。
  • 予防医療や心のケアの充実を図る。
  • 女の子を守る正しい性教育の拡充。

なくすことを目指すもの

  • 5歳までに命を失う子どもの数を減らす。予防できる原因で命を失う子どもをゼロに!
  • エイズや結核などの伝染病をなくす。汚水などによる公害への対策を!
  • 薬物やアルコールの乱用を防ぐ。
  • 交通事故を半減させる。

以上のように、誰もがお金の心配をせずに必要な保健サービスや治療を受けられるようにすることが大切です。

世界と日本の取り組み

それでは、目標達成に向けて世界や日本では、どのような取り組みをしているのでしょうか。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団(ビル・ゲイツ)

ゲイツ財団とは、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏が、2000年に妻のメリンダさんと設立した慈善基金団体です。規模は世界最大。

「すべての命の価値は等しい」という信念を掲げ、伝染病や栄養不良などあらゆる問題をゼロにすることを目指しています。ユニセフとも協力しながら世界各地へ支援をしています。

参照|ユニセフ|特集そして「魔法の0へ」|

ホワイトリボン

ホワイトリボンとは、女性の健康と権利の大切さを伝える、国際的なシンボルマーク。1999年にアメリカで誕生しました。

今でも開発途上国を中心に、2分に1人の女性が妊娠や出産で命を落としています。女性や幼い子どもの命を守ることを目指して支援活動を行なっています。

また3月8日国際女性デーと関係付けた「ホワイトリボンラン」も開催。お揃いの公式Tシャツを着て世界の女性のためにみんなで走ります。インターネットでつながって世界中にホワイトリボンのムーブメントを起こすというチャリティアクションです。

参加費の一部が寄付され、世界の女性の命と健康を守る活動に使われます。

参照|ホワイトリボン|走る(ホワイトリボンラン)とは

母子手帳

母子手帳とは、妊娠中及び出産時の母子の状態や子どもの成⾧を記録するための手帳です。

実は、母子手帳は日本発。活用開始以降、日本は母子の死亡が最も少ない国の一つになりました。

現在では、JICAが中心となって、開発途上国における母子手帳の普及を支援しています。

身近な母子手帳が、世界中の母子の命と健康を守ることに繋がっているというのは驚きですよね。

参照|JICA|日本発の母子手帳 世界へ|

企業の取り組み

続いては、企業の取り組みを具体的にみていきましょう。

アート引越センター株式会社

アート引越センター株式会社は「事故ゼロ」を目指し、命の尊さを伝えるアート展に協力しています。

「生命のメッセージ」の展示を通じて、犠牲者の無念を訴えています。命が守られる社会の実現に向けた取り組みを続けています。

SARAYA(サラヤ)

SARAYAは「ハッピー手洗いプロジェクト」に取り組みました。

カンボジアの感染症と死亡率を減らすために、2013年3月から2015年2月までの2年間、正しい手指衛生の教育、液体手洗い石けんと手指消毒用アルコール剤の普及を進めたそうです。

清潔な手洗いができる環境を整えることが、多くの命を救うことに繋がることが分かりますよね。

自分たちにできること

では、自分たちにできることはあるのでしょうか?
実は身近なことで貢献できることはたくさんあります。今回は3つの行動をご紹介します。

定期的に健康診断を受ける

定期的に健康診断を受けることも、立派な貢献です。

なぜなら、自分の身体の状態を正しく知ることで病気の早期発見に繋がるからです。

企業や自治体で実施している健康診断をぜひ活用して、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。

まだ受けていない家族や友人に健康診断を受けることを勧めることも大切です。

病気の予防を意識した生活を心がける

病気の予防を意識した生活をすることを心がけましょう。

自分の命を自分で守ることは、時に家族など周りの人の命を守ることにも繋がります。

例えば、栄養のバランスがよい食事や十分な睡眠をとることで免疫力アップが期待できます。手洗い・うがいの徹底をすることで体内にウイルスが入りにくくなりますよね。

このように、一人ひとりの予防意識が高まることで、国全体の健康意識が高まり、より多くの人の健康を守ることができます。

心のケアを大切にする

心のケアも大切にしましょう。

ターゲットの内容にも心の健康が明記されるくらい、多忙な現代人にとってメンタルの不調は深刻な問題です。

けれども、心の疲れがあっても自分を否定する必要はありません。

もし不調を感じたら、まず身体からの「休みたい」というサインだと肯定的に受け止めましょう。じっくり好きなことをしたり、ゆっくり休息をとったりして心と身体を休ませる時間を作ることがおすすめです。

まとめ

今回は、目標3「すべての人に健康と福祉を」のターゲットや取り組みについて詳しく解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

世界では、医療体制が整っていたら救える命が、多く失われています。

このような深刻な医療問題を知ることは、貢献への第一歩です。

みなさんもぜひ自分の身体と心を大切にしながら、自分ができることから取り組んでみてはいかがでしょうか。

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