ミニマルとは?

まず、「ミニマル」とは、必要最小限、可能な限り少ないことを指します。ミニマルは、「量」だけでなく「質」も表している言葉になります。

また、「ミニマリスト」はミニマルから派生した造語で、「必要最小限のモノだけで暮らす人」です。しかし、明確な定義はなく、持つ量は人それぞれでライフスタイルも異なります。
重要なのはモノが少ないことではなく、「自分にとって必要なモノだけを持つ」ということです。

では、なぜミニマルが注目されるようになったのでしょうか。

ミニマルが注目された背景にある、大量生産・大量消費

ミニマルが注目された背景のひとつに「大量生産・大量消費」があります。1960年頃の高度経済成長後、日本は大規模な設備投資ができるようになり、生産コストを下げることが可能になりました。生産コストが下がったことで大量にモノを生産できるようになり、市場には手に取りやすい価格の商品が並ぶようになりました。

「ひとつのモノを大切にする」という昔ながらの意識は薄れ、「壊れたら買い替える」、「新しい商品が発売されたら買い替える」ことが当たり前になっていきました。

まだ使えるモノが廃棄されたり、トレンドの服を使い捨て感覚で購入するようになったのです。また、物流がスムーズになったことで24時間買い物ができるようになったことも要因のひとつです。

わたしたちは、モノを持つことが豊かだと考えるようになったのです。

しかし、1990年代前半にバブルが崩壊。それに伴い家計に変化が起こったことで、お片付けブームが流行しました。これがミニマルが世間に浸透したきっかけだと言われています。

解決できる目標は6つ

ミニマルな暮らしを意識することで、SDGsの17個の目標のうち、

  • 目標1「貧困をなくそう」
  • 目標10「人や国の不平等をなくそう」
  • 目標12「つくる責任 つかう責任」
  • 目標13「気候変動に具体的な対策を」
  • 目標14「海の豊かさを守ろう」
  • 目標15「陸の豊かさも守ろう」

6つの目標の解決につながります。

大量生産により、劣悪な労働環境を強いられている人がいます。その多くは発展途上国の人たちです。時給15円、1か月働いても6,000円程度しか得られないにも関わらず、長時間労働、児童労働、セクハラやパワハラ、危険な薬剤の取り扱いなど、問題がありながらも貧困ゆえに働くしかない不平等な状況にいるのです。

また大量生産・大量消費は、環境破壊につながっています。工場から排出される温室効果ガスによる地球温暖化。工場や家庭から出る排水による、海洋汚染。
工場から排出される大気汚染物質による大気汚染も問題になっています。

近年ではプラスチック製品やペットボトルごみの不法投棄による、海の生態系への影響も懸念されています。

特に目標12「つくる責任 つかう責任」と関係がある

目標12で掲げられている問題のひとつが、食品廃棄と有価物(鉄・アルミ・古紙・古布類など)などの無駄な資源の浪費です。
日本国内では、年間約600万トンもの食べられるのに捨てられている食べ物があります。また、捨てられている衣類は年間100万トンあります。

生産者も消費者も地球の資源は限られたものであることを認識し、

  • 今ある資源を活用すること
  • 少ない資源で良いものを生み出すこと

を考える必要があります。

つまり、無駄を出さないミニマルな暮らしは、地球環境に負担を減らせるということなのです。

暮らしにミニマルを取り入れてみよう

「ミニマルな暮らし」と構えてしまうとむずかしいように感じますが、簡単に取り入れられるものもあります。

好きなモノだけ残す、買う

ミニマルに暮らしている人の共通点は、好きなモノに囲まれているという点です。自分にとって必要なモノを見極めるのはとてもむずかしいもの。
しかし、一度自分の好きなモノがわかれば、妥協した買い物はしなくなります。
また、手放す際もまだ使えるモノは、メルカリやジモティ、洋服ポストの利用がおすすめです。「誰かの役に立つかも?」と思うと、罪悪感がなくなりますよ。

公式サイト:mercari

公式サイト:ジモティ

公式サイト:洋服ポスト

使い捨てではなく、長く愛用できるモノを買いゴミを出さない

100円均一など、安価な商品ではつい気軽に買ってしまいがちですが、本当に必要なモノ以外買わないようにしましょう。何度も買い替えるとゴミになるので、しっかり考えて購入することで愛着が沸き、ひとつのモノを大切にすることができるようになります。

食品は食べきれる分だけ買い廃棄を出さない

家庭からでるフードロスも大きな問題となっています。使いきれない調味料や安かったという理由で買った食べきれない量の野菜などは廃棄しがちです。
食べきれる量を買うか、買った日に下処理をするなどして工夫しましょう。安く買った食べ物もその時はお得感があっても、結局捨ててしまうとお金を捨てたのと同じことです。

まとめ

今までのように、大量生産・大量消費を続けていると住みやすい地球を持続することはむずかしいでしょう。

しかし、ミニマルに暮らすことで、自分の生活が豊かになるだけではなく、持続可能な未来につながるのです。1人ひとりが意識しながら生活することでSDGsの解決につながるのです。

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