「アパレルが地球を壊す」
ファストファッションの台頭で、安価でおしゃれな洋服がいつでも購入できる時代になりました。一方で、衣類の短サイクル化や低価格化が大量生産・大量消費に拍車をかけています。
環境省によると、日本人1人当たりの年間衣類購入枚数は18着、手放す枚数は12着。しかも、1年間で1度も着用されずクローゼットに眠る衣類は25着と、大量廃棄への流れが懸念されています。
いらなくなった洋服の手放し方にフォーカスすると、日本では圧倒的にごみとして焼却処理される割合が高く、再資源化できていない現実が浮き彫りとなってきました。本記事では持続可能なファッションをテーマに、人にも環境にも優しい衣服の断捨離方法をご紹介します。「まだ着られるのにもったいない」「洋服を捨てるのが心苦しい」という方は、最後までお読みいただくと、クローゼットも心もすっきり整理できますよ。
年間50万トンにも達する衣類ごみ
私達が手にする洋服は、原材料調達から製造、販売といったと一連のサプライチェーンで大量の温室効果ガスの排出や水質汚染のコストを伴って生産されています。服1着あたりに換算して、500mlのペットボトル約255本分、浴槽約11杯分の水消費量となることからも環境負荷の高さがうかがえます。
しかも昨今の大量生産時代において追いうちをかけるのが「山のような衣類ごみ」問題です。
日本で出される衣類ごみのうち、可燃ごみは約48万トン(95%)、不燃ごみとして再資源化される割合はたった5%(24,000トン)に過ぎません。また、1日に廃棄される衣類ごみの量はおよそ1,300トン。大型トラック換算130台におよぶ大量の洋服が焼却処分や埋め立てされており、廃棄量の削減が喫緊の課題となっています。
すすまない日本のリサイクル事情
環境省が実施したアンケート結果によると、約6割の人が「サスティナブルファッションに関心はある」と回答。ところが、回答者の75%が「処理に手間や労力、費用等がかからない」という理由で、衣類を可燃・不燃ごみと廃棄しているジレンマが生じています。
手放した後の洋服の行方をみても、リユースやリサイクルを通じて再利用される割合は約34%と改善の余地を残す残念な結果です。
日本の洋服リサイクル率が伸び悩む原因は主に2つ考えられるでしょう。1つ目は突出したゴミ焼却への依存体質、2つ目が市民の手に届く形でのリサイクルシステムが確立していない点にあります。
ご存じの通り、日本は世界屈指の厳しいごみ分別ルールが徹底されている国です。それにも関わらず、環境先進国のEU諸国の半分以下にあたる19.9%と低いリサイクル率に留まるのは、分別した資源ごみを焼却処分するといった合理性を欠く制度によるものでしょう※。
今後は、国土面積の少ない国だからこそ、焼却依存から脱却して、リサイクルやリペア、セカンドハンド(古着)といった再利用に活路を見出すことが求められています。同時に、欧米諸国でよく見られる古着回収ボックスやドネーション(古着の寄付)というオプションも、消費者の私達が取り組める具体的なアクションの1つです。
罪悪感なく、手放す洋服に「ありがとう」
現在、世界の主流はサーキュラーエコノミーに向かっています。すなわち、循環型社会を意味する、廃棄や無駄をなくす仕組みづくりのことです。経済効果の創出、環境負荷の軽減を両輪で達成できる手法として世界が注目しています。
最近は日本国内でも、サスティナブルを意識したアパレルブランドを見かけるようになりました。一方で、常設で着なくなった衣類回収サービスを行っているお店はごく一部にすぎません。近所に購入したショップがない場合や、ご時世的に外出を控えている事情もあって全てをパーフェクトに処分することは困難です。
「長く愛用できる1着を手にする」「衣類のお手入れや保管方法を見直す」ことで着用期間をのばすアイデアはもちろん有用です。
しかし、洋服のエイジングや摩耗、日々成長する子供服のサイズアウト、クローゼットの整理整頓といった事情で、やむを得ず洋服を捨てなければならない状況があります。
そこでおすすめしたいのが、スマホ1台でエシカル断捨離が実現する罪悪感ゼロの古着処分方法です。「まだ着られる服を誰かにゆずりたい」「断捨離と社会貢献を同時に叶えたい」という環境意識の高い方に推奨します。
「古着deワクチン」というエシカル断捨離術
古着deワクチンは、申し込みから専用回収キットの集荷まで自宅にいながら完結する古着回収サービス。いわゆる有料お片づけサイトです。不要な衣類やバッグ、小物類を誰かの役立つ形で手放せる、環境に優しい衣類の再活用として注目されています。
当サービスの魅力は「洋服の断捨離」「ワクチンの寄付」「雇用の創出」と一石三鳥のベネフィットを得られること。着なくなった洋服を片づけられる上、世界のどこかで笑顔が生まれる画期的な仕組みでリピーターさんも多く見受けられます。
以下の項目に1つでも当てはまる項目があれば、本サービスのような社会貢献型のサービスを検討する価値があるでしょう。
- まだ使える綺麗な状態の子供服を誰かに譲りたい
- 思い出のある洋服をただ捨てるのは心苦しい
- フリマやオークションで古着を売るのは手間がかかる
- 古着の寄付で雇用の創出や途上国の子どもの命を救いたい
- オンラインで完結する断捨離方法に興味がある
- サスティナブルファッションへの第1歩を手軽に踏み出したい
本サイトで専用回収キットを購入すると、認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」を通して、1口につき開発途上国の子ども5人分のポリオワクチンが届けられ命を救うことができます。(※2021年11月時点で、3,716,912人分のワクチン寄付、30,927,700人分の衣類を再利用実績)しかも、商品購入後にレビューを書くだけで、さらに1人分のワクチンが追加寄付されます。
回収された古着は、日本国内の福祉作業所で製造・搬入・発送といった障害者の方々の雇用を創出。さらに、回収した古着を開発途上国で現地販売するビジネスモデルを採用することで、途上国の雇用創出にも貢献。寄付行為では実現できない経済インパクトを生み出し、持続可能な繁栄に大切な「働きがいのある人間らしい雇用環境」の促進にもつながっています。
もう少し詳しく内容を知りたい方のために、古着deワクチンの流れや仕組みを紹介していきます。
【STEP1】古着deワクチン専用回収キットの購入
出典:古着deワクチン
強化紙袋で作られた専用回収キットは送料無料3,300円(税込)。薄手衣服なら約100着、セーターやズボン類なら約40着ほど詰め込みできます。購入はこちらのページから可能です。
【STEP2】数日後、自宅に専用回収キットが届く
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【STEP3】届いた専用回収キットに不要な衣類を詰める
出典:古着deワクチン
回収キットには、専用着払い用紙があらかじめ貼り付けされているため、梱包前に記入を済ませておくと作業がスムーズです。
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【STEP4】集荷依頼専用ダイヤルに電話する
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【STEP5】衣類を詰めた専用回収キットを佐川急便のドライバーさんへ渡す
1歩も外出せずにスマホ1台で断捨離が完結する仕組みなので、育児中で外出ができない方や大量の衣類をまとめて整理整頓したい方にも重宝するサービスでしょう。
本記事では、古着で断捨離と社会貢献を同時達成できるサービスを事例紹介しました。
今後、持続可能なファッションの仕組みづくりを目指す上で欠かせないコンセプトが「3つのP」です。すなわち、「Profit(経済的利益)」「Planet(地球環境)」「People(人間の幸せ)」のバランスが調和した偏重のない生産や消費のあり方を意味します。
現在の安価な洋服は手軽に購入できる「Profit(経済的利益)」が重視された結果、環境汚染や劣悪な労働環境、大量の衣類ごみといった「Planet(地球環境)」「People(人間の幸せ)」がおざなりに扱われています。
未来のサスティナブルファッションには、耐久性のある良質な素材での衣服生産、リサイクルやリユースを通じた廃棄を出さない仕組みづくり、再利用や資源循環を進めて「地球・企業・人間」すべての関係者がポジティブでいられる環境を目指すことが求められるでしょう。