【現地レポあり】夏休みのおでかけ新スポット!木更津コンセプトストアの取組み

2023年6月にオープンした新スポットが「木更津コンセプトストア」です。洋服のテーマパークと呼ばれ、新しいアウトレットともいえます。

とはいえ、これまでのアウトレットとどのように違うのかと疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

今回は木更津コンセプトストアについて徹底解説します。おでかけする魅力とともにSDGsに貢献できるポイントもお伝えします。

夏休みのおでかけ候補として、考えてみてはいかがでしょうか。
また今回は「木更津コンセプトストア」へ実際に行って写真を撮ってきました。
ぜひ参考にしてください!

「木更津コンセプトストア」が2023年6月オープン!

千葉県木更津市に、洋服のテーマパークがオープン。持続可能なファッションを楽しめる体験型のショッピングモールが誕生しました。傷や汚れなどがある規格外品や倉庫に眠っているブランドの洋服を安く手に入れられます。

木更津アウトレットに隣接しており、広さは3000㎡。洋服の売り場以外にも、カフェやファクトリーラボ、ガーデンスペースなどが併設されています。セレクトリサイクルショップ「パスザバトン(PASS THE BATON)」がプロデュースしています。

持続可能なファッションへの挑戦

木更津コンセプトストアのミッションの一つに、アパレル業界が抱える課題を解決することがあります。環境省によると、2020年の衣類の国内新規供給量は計81.9万トンに対し、廃棄される量は計51.0万トンといわれているのです。

持続可能な社会や循環型経済が求められる今日、洋服の廃棄や過剰生産を解決することが不可欠といえるでしょう。

そのため、店内には木更津コンセプトストアの思いに賛同したブランドが商品を提供しています。ブランドパートナーは約100社。ハイブランドからカジュアルまで幅広く展開しているのです。

300円の入場料が社会貢献になる

木更津コンセプトストアには入場料300円(大人)が必要です。券売機で入場料を購入した後に寄付先を選択できます。買い物を通して、社会活動を応援できるのです。

では、具体的にどのような特徴があるのでしょうか。おでかけスポットとしておすすめな情報から環境や社会にやさしい情報までをまとめました。

ポイント①ブランド服が最大8割引で買える

規格外品などを理由に倉庫に眠っている商品などをメインに販売しているため、ブランドの洋服を安く購入できます。新品でありながら、最大8割引ともいわれています。

「メゾン マルジェラ」や「ジル サンダー」「マークジェイコブス」「フェラガモ」などのハイブランドが豊富。さらに「A.P.C.」 「ビームス」「CA4LA」「シップス」など人気ブランドの商品も取り揃えています。

商品の陳列も工夫されています。ブランドごとではなく、色や季節性などでまとめられているのです。新しい買い物の形を提案しています。

ポイント②試着し放題

一般的な試着室に持ち込める洋服の数は制限されています。しかし、木更津コンセプトストアは持ち込み制限なしで試着し放題です。自分にあったアイテムを後悔なく購入できます。

しっかり試着することで責任をもって選択できるため、購入後の廃棄量も減らせるのではないでしょうか。まさにSDGs「12.つくる責任つかう責任」の貢献です。

ポイント③ブランド各社の在庫の課題解決

規格外やデトックス品の販売は、在庫量や廃棄量の削減に大きく貢献しています。倉庫に眠る商品は売上にもならず、保管のコストもかかるため、資産というよりリスクといえます。安価でもアウトレット商品として在庫が減ることは企業にとってもメリットがあるのです。

国内アパレルの市場規模が1990年代から低下傾向にあります。一方で、供給量は増加傾向です。このような背景から在庫量や廃棄量が増えてしまうと考えられます。これからは大量生産・大量消費を改め、洋服のライフサイクルの長寿化を考えていかなければなりません。

売り手と買い手をつなぐ木更津コンセプトストアは、アパレル業界の問題解決に大きく役立つのではないでしょうか。

参照:環境省|サステナブルファッション

ポイント④アップサイクルの商品販売

「POP UP STAGE」では、廃棄物や不用品に付加価値をつけて、新たなアイテムへ生まれ変わらせた商品を販売。また不要になった洋服や端切れなどを使ってできたカラフルなソファも休息スペースに設置したり、パーテーションにはアパートのサッシを活用しています。

アップサイクルは、リサイクルやリユースのように廃棄量や生産時の環境負荷を削減できます。循環型社会の実現を担う生産方法として注目を集めているのです。

一人でも多くの来場者がアップサイクルの商品に触れることで、持続可能な生産を拡大することに貢献しているといえるでしょう。今後どのようなアイテムが登場するのか楽しみです。

ポイント⑤食品ロスを生かしたカフェと食物販コーナー

「ザ オープン カフェ(THE OPEN CAFE)」では、サステナブルな食も楽しめます。食品ロス削減に貢献するECサイト「クラダシ」とコラボレーションしたエリアです。もったいない食材を活用したハンバーガーやジェラートなどを提供しています。

第1弾のコラボレーションメニューは、愛媛県八幡浜市の柑橘「まどんな」を利用したスムージー。豊作で余ったものを冷凍保存し、原料として活用しました。コラボメニューは食品ロスになる可能性が高い食材を利用するため、不定期で入れ替わるそうです。

カフェの隣には、ソーシャルグッドマーケット「クラダシ」の食物販コーナーもあります。エシカルな商品を購入したい方におすすめです。

環境省・農林水産省の2020年度の推計によると、国内の食品ロス量は「年間522万トン」。そのうち、53パーセント(275万トン)が外食産業や食品製造業などの事業者から発生したものでした。食品ロス削減も持続可能な社会の実現に欠かせません。

参照:農林水産省

ポイント⑥衣類から作られた肥料で野菜が作る

「サーキュラーファーム」では、最新テクノロジーを駆使して洋服を土へ還す取り組みをしています。できた土は施設内の農園での有機野菜の栽培で活用されています。洋服から肥料を作り、野菜を育むプロセスを学べる体験ブースです。

肥料になる過程を短くまとめました。

  1. 不要になった衣類を回収
  2. 粉砕機で粉々にし、発酵を促進させる
  3. 粉砕した繊維を有機物にまぜて微生物の力で自然発酵させる

最新技術と自然の力を組み合わせて、洋服から肥料を作っています。

また木更津コンセプトストアでは、古着回収も実施。不要な洋服を持参すると、1kgあたり250円相当のクーポンと交換できるそうです。

ポイント⑦洋服からエネルギーをつくる

近畿大学と文化学園大学による「洋服から次世代再生可能エネルギーをつくる共同研究」を支援。残布や古着からバイオリサイクル燃料へ転換し、カーボンニュートラルや循環型社会の実現を目指しています。

施設内に、洋服からエネルギーを製造できる様子を学べるブースを設置しました。来場者が体験を通して、バイオサイクル燃料の普及に努めているのです。

家族でサステナブルなワークショップに参加するのも魅力的ではないでしょうか。

ポイント⑧売上の一部が寄付される仕組みに

冒頭でもお伝えしたように、入場料の一部が社会課題の解決に取り組む企業・団体へ寄付される仕組みになっています。2023年6月現在では、次の寄付先があるそうです。

  1. クレサヴァ:洋服から肥料を作り、土に還す取り組みをしている
  2. サーキュラー コットン ファクトリー:裁断くずや落ち綿などの廃棄されていた繊維を紙の原料として活用している
  3. 文化学園大学:廃棄する服を近畿大学のバイオコークス技術を用いて次世代エネルギーへの活用できるよう研究している

来場者は自分の意思で寄付できるのです。来場するだけで社会貢献の意識が高まるのではないでしょうか。

木更津コンセプトストア公式サイトはこちら

実際に「木更津コンセプトストア」に行ってみました

実際に木更津コンセプトストアに行ってみました!

ここまでの記事で掲載させていただいた写真はすべて現地で撮影したものです。
掲載している写真の通り、サスティナブルな活動についても、しっかり解説されています。

下の画像のように着られなくなった服を黒く染めて蘇らせるような企画もやっていました。

ここまでお見せした通り、モール内には様々なサスティナブルな活動の解説がされています。
ただモール内の様子は、以下のような雰囲気でお堅い雰囲気は全くありません!

ショッピングモールの本来の楽しみである、買い物の楽しさは全く損なわれていません。

ポイント⑤でご紹介した「食品ロスを生かしたカフェと食物販コーナー」がこちら!
特に食品ロスに貢献しようという気がなくても、普通に利用できる雰囲気ですよね。

服の廃棄や食品ロスといった課題に取り組む姿勢や解説を取り入れつつも、普通に買い物を楽しめる「木更津コンセプトストア」。
皆様も機会があれば、ぜひ一度行ってみてください!

木更津コンセプトストア所在地

千葉県木更津市金田東2丁目9番1 三井アウトレットパーク 木更津 近接
GoogleMAPはこちら

おわりに

「木更津コンセプトストア」は洋服のテーマパークと呼ばれています。

  • 廃棄される可能性のある洋服をレスキューする
  • 洋服を肥料やエネルギーに変換する循環型社会の実現に努めている
  • エシカルな食を楽しめるカフェを併設

このような特徴をみると「SDGsのテーマパーク」ともいえるのではないでしょうか。

買い物や体験を通して、未来について考えるきっかけになる新スポットは、今後もさらに注目されるのではないでしょうか。

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